今回の"1分でわかる「LOVE展」"は、森美術館で好評開催中の「LOVE展:アートにみる愛のかたち」の「セクション3:愛を失うとき」より、トレイシー・エミンの《あなたを愛すると誓うわ》を紹介します。エミンはイギリスの新しい世代を代表するアーティストのひとりです。
トレイシー・エミンは1990年代にイギリスの新しい世代を象徴するヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)のメンバーのひとりです。個人の愛の軌跡を赤裸々に作品化する表現で一躍有名になりました。キルト作品、ベッドやテントなどの私的な空間を再現したインスタレーション、版画、ネオン作品など、多様なメディアによる作品を発表してきました。
本展には3点のネオン作品《あなたを愛すると誓うわ》(2010)、《あなたを愛したのはあなたのせいよ》(2010)、《あなたは信じられないほど私を愛してくれた》(2012)を出品しています。広告看板の猥雑さや、香港、上海、東京などアジアの都市の夜景を連想させるネオンを使いながら、エミンは勢いのある手書きの書体で「愛」に対する渇望と喪失、挑発と拒絶といった二面性を持つ言葉を表現するのです。
<関連リンク>
・六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展
「LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで」
2013年4月26日(金)-9月1日(日)
・1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介
(1)ジェフ・クーンズ《聖なるハート》
(2)ゴウハル・ダシュティ「今日の生活と戦争」シリーズ
(3)ナン・ゴールディン「性的依存のバラッド」シリーズ
(4)ジョン・エヴァレット・ミレイ《声を聞かせて!》
(5)フリーダ・カーロ《私の祖父母、両親そして私(家系図)》
(6)ジャン・シャオガン《血縁:大家族》
(7)草間彌生《愛が呼んでいる》
(8)シルパ・グプタ《わたしもあなたの空の下に生きている》
(9)初音ミク《初音ミク:繋がる愛》
(10)アルフレド・ジャー《抱擁》
(11)ロバート・インディアナ《ラブ》 & ギムホンソック《ラブ》
(12)ソフィ・カル《どうか元気で》
(13)シャガール、マグリッド、フランシス・ピカビアらが描いた恋人たち
(14)トレイシー・エミン《あなたを愛すると誓うわ》
(15)デヴィッド・ホックニー《両親》
(16)デミアン・ハースト《無題》