2013年6月19日(水)

シルパ・グプタ《わたしもあなたの空の下に生きている》
1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介(8)

インドのムンバイで生まれ、多様な手法を用いた作品を発表しているシルパ・グプタ。LEDによって浮かび上がる、3つの言語による「わたしもあなたの空の下に生きている」という言葉には、どのような想いが込められているのでしょうか。


シルパ・グプタ
わたしもあなたの空の下に生きている》
2011年
LED
254×989.5cm

シルパ・グプタは、民族、宗教、ジェンダー、経済格差や階級、また宗教紛争や環境問題など、様々な社会問題を視覚化し、既存媒体にとらわれない表現を試みています。その手法はインタラクティヴなインスタレーションや、写真、映像など多岐におよびます。

本展出品作《わたしもあなたの空の下に生きている》(2011)は、ネオンサインが交互に日本語、英語、ウルドゥー語で「わたしもあなたの空の下に生きている」という文字を光らせます。ウルドゥー語はパキスタンの国語であり、インド北部のカシミール地方で公用語としても使われている言語です。現在もカシミール地方をめぐってインドとパキスタンの紛争が続いていますが、どんな人間であっても、どのような状況下に置かれていても、私たちは今も「同じ空の下に生きている」ことを作品は語りかけるのです。一見するとロマンティックな言葉ですが、それは私たちの心に深く揺さぶりをかけながら、静かに瞬いています。
 

<関連リンク>

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展
「LOVE展:アートにみる愛のかたち-シャガールから草間彌生、初音ミクまで」

2013年4月26日(金)-9月1日(日)

・1分でわかる「LOVE展」~アーティスト&作品紹介
(1)ジェフ・クーンズ《聖なるハート》
(2)ゴウハル・ダシュティ「今日の生活と戦争」シリーズ
(3)ナン・ゴールディン「性的依存のバラッド」シリーズ
(4)ジョン・エヴァレット・ミレイ《声を聞かせて!》
(5)フリーダ・カーロ《私の祖父母、両親そして私(家系図)》
(6)ジャン・シャオガン《血縁:大家族》
(7)草間彌生《愛が呼んでいる》
(8)シルパ・グプタ《わたしもあなたの空の下に生きている》
(9)初音ミク《初音ミク:繋がる愛》
(10)アルフレド・ジャー《抱擁》
(11)ロバート・インディアナ《ラブ》 & ギムホンソック《ラブ》
(12)ソフィ・カル《どうか元気で》
(13)シャガール、マグリッド、フランシス・ピカビアらが描いた恋人たち
(14)トレイシー・エミン《あなたを愛すると誓うわ》
(15)デヴィッド・ホックニー《両親》
(16)デミアン・ハースト《無題》

カテゴリー:01.MAMオピニオン
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