展覧会

STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ

世界が認める現代アートのトップランナー6名
その初期作品と最新作をつないで見せる
待望の展覧会!

2020.7.31(金)~ 2021.1.3(日)

奈良美智

奈良美智は、1980年代よりドローイング、絵画、彫刻、写真、インスタレーションなど、様々なメディアで作品を制作しています。1988年、ドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーへの入学以来2000年まではドイツで制作活動を行っていました。帰国した2000年には、シカゴ現代美術館、サンタモニカ美術館での個展、2001年には国内5館を巡回する個展が開催されるなど、国内外で活躍するようになります。奈良はまた、音楽への造詣の深さと愛、様々なクリエーターとの協働、ポップ・カルチャーと現代美術というジャンルを超えたスタイルでも知られています。

子供、動物などが単純に抽象化され、デフォルメされて頻繁に登場する作品群は、親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど、一見相反する性格を共存させ、観るものの想像力を刺激します。近年では、穏やかで精神的な雰囲気を持つ肖像画も多数制作されています。奈良作品の孤独な主人公たちは、弱くて正直であるが故に社会の中で力を持たないものたち、辺境や境界で生きるものたちの代弁者であり、大人の心の片隅に生き続けている無垢な心の表象でもあるのです。さらに、「霊魂のありか」である肖像画は時代を超えた根源的なものとなるでしょう。

本展示は、作家活動最初期の1980年代から2020年までの活動の変遷を見せると共に、奈良美智の創作世界を体験できるものとなっています。初公開の15点を含む初期作品約20点、コラボレーションなどで幅が広がった中期の代表的なインスタレーション作品である《Voyage of the Moon(Resting Moon) / Voyage of the Moon》(2006年)、新作《Miss Moonlight》(2020年)を含む大型肖像絵画、そして奈良本人の多様なコレクションなどを展示しています。

奈良美智 《Miss Moonlight》
奈良美智
《Miss Moonlight》
2020年
アクリル絵具、キャンバス
220×195 cm
奈良美智 《Miss Moonlight》
奈良美智
《Miss Moonlight》
2020年
アクリル絵具、キャンバス
220×195 cm

奈良美智アーカイブ

アーカイブ展示のセクションでは、主要な展覧会歴、カタログ、展示風景写真、展覧会評などの資料を展示し、アーティストが世界でどのように評価されてきたかを解き明かします。 会場には年表を掲示していますが、カタログバージョンを特別にPDFで公開します。

年表PDFはこちらよりダウンロードできます。(PDF/393KB)

撮影:高山幸三

プロフィール

1959年、青森県弘前市生まれ、栃木県在住。ドローイング、絵画、彫刻などを制作している。子供、動物、植物などが頻繁に登場する作品群は、親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど、一見相反する性格を共存させ、観るものの想像力を刺激する。日本の「かわいい」文化を体現するものと捉えられることもあるが、こうした不安定で力を持たない主人公たちは、辺境や境界で生きるものたち、権力構造を逃れる自由な精神の代弁者なのである。音楽への造詣の深さと愛、ポップカルチャーと現代美術の接続を行うようなジャンルを超えたスタイルでも知られる。1980年代後半に作家活動を開始し、1988年から2000年まではドイツを拠点に活動。日本に帰国した2000年には、シカゴ現代美術館やサンタモニカ美術館(現インスティテュート・オブ・コンテンポラリーアート・ロサンゼルス)で個展を開催するなど、欧米での評価を確実なものにする。2001年には国内初の大型個展が、横浜美術館を始め国内5都市を巡回し、2000年代には、韓国、中国、台湾のみならず、東南アジアでも注目が高まり、2015年にはアジア・ソサエティ香港センターで個展を開催。2020年にはロサンゼルス・カウンティ美術館での大規模な個展、2021年には、ダラス・コンテンポラリーでの個展が予定されるなど、近年益々評価が高まっている。

基本情報
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