レアンドロ・エルリッヒからのメッセージ
今回の個展は、私のキャリアにとって最大の挑戦であり、また、常にさまざまなインスピレーションを与えてくれる、洗練と刺激に満ちたこの東京で開催できることを大変光栄に思います。私の作品を通して、みなさん一人一人が「日常においてわたしたちがいかに無意識のうちに惰性や習慣で行動しているか」、そして「いかに常識や既成概念にとらわれ凝り固まった見方をしているか」ということに気付き、現実を問い直すきっかけとなれば嬉しいです。現実は一つだけではない。それこそが現実なのではないでしょうか。
レアンドロ・エルリッヒ
1973年、アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。現在はブエノスアイレスとウルグアイ、モンテビデオを拠点に活動。ホイットニー・ビエンナーレ2000(ニューヨーク、2000年)をはじめ、第49回ベネチア・ビエンナーレ(2001年)、第26回サンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル、2004年)、リバプール・ビエンナーレ2008(イギリス、2008年)といった多くの国際展に参加、また、ポンピドゥー・センターで開催された「パリ・デリー・ボンベイ展」(フランス、2011年)にも出展。主な個展に、ローマ現代美術館(イタリア、2006年)、MoMA PS1(ニューヨーク、2008年)、エスパシオ・フンダシオン・テレフォニカ(マドリッド、2017年)、ニューバーガー美術館(ニューヨーク、2017年)など。国内では、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟、2006年、2012年)、瀬戸内国際芸術祭2010(香川、2010年)などに参加し、2014年には金沢21世紀美術館にて日本初の個展を開催。
《スイミング・プール》
レアンドロ・エルリッヒは、日本では金沢21世紀美術館に恒久設置された《スイミング・プール》の作家としても知られています。地上と地下を隔てる水面を通して、地上からは水中で動き回る人々が眺められ、地下からは水中から地上を仰ぎ見るような体験ができる面白さから、老若男女問わず親しまれています。
※本展では、《スイミング・プール》のプロトタイプ模型と写真を展示します。