山本篤(1980年生まれ)は、ドキュメンタリー作品からフィクションや実験的なコントのような作品まで、これまで174本にのぼる映像作品を制作してきました。
ニュータウンなどの都市郊外の匿名的なロケーションを舞台とし、作家自身が暇を持て余した若者や非正規労働者などを演じる作品が多く、それらは東京近郊の一般家庭で育った山本の出自にも関係しています。一方で、最新作《過去と未来は、現在の中に》(2016年 HDビデオ 46分)は、妻の妊娠中に山本自身が昔の恋人を訪ねることで、「過去、現在、未来」と向き合うという極私的なドキュメンタリー作品です。どちらの作品にも描かれているのは、目の前の現実と向き合おうとする山本の真摯な姿です。本展では初期の短編作品と近年の長編作品を合わせた上映プログラムを組み、山本の映像の多彩な魅力に迫ります。
上映作品
- 《過去と未来は、現在の中に》 2016年 32分 *
* オリジナル作品は46分ありますが、上映作品は本展に合わせて作家自身が再編集したバージョンとなります。 - 《2dogs》 2010年 2分51秒
- 《青いおばけ》 2010年 1分13秒
- 《8bit の現実世界》 2011年 2分12秒
- 《不可能性の可能性について》 2008年 3分52秒
- 《山を越える》 2011年 2分30秒
- 《君に話したいことがある》 2011年 1分17秒
- 《美しく燃える石》 2012年 3分6秒
- 《晴れて、タイ》 2013年 3分15秒
山本 篤
1980年、東京都生まれ、同地在住。多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。主な展覧会に、「2016」(Art Center Ongoing、2016年)、奥能登国際芸術祭(2017年)、「国立奥多摩映画館~森の叫び~」(2016年)、「Time Differences between Two Pictures」(モデルルーム、東京、2016年)、「ビデオアートプログラム 世界に開かれた映像という窓 第24回:山本 篤」(広島市現代美術館、2012年)などがある。
http://atsushiyamamoto.com/