ASEAN設立50周年。
経済成長のみならず、現代アートシーンもめざましい興隆を見せる東南アジア地域
ASEAN(東南アジア諸国連合)は、1967年の「バンコク宣言」によって設立され、現在はインドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス(50音順)の東南アジア10ヵ国で構成されています。10年以上にわたり高い経済成長を維持し、2015年に経済共同体となったASEANですが、現代アートの世界においても活況を呈しており、国際的にも高い注目が集まっています。本展は、東南アジアの現代アートの集大成であり、また最良の入門編ともなるでしょう。
東南アジアの注目アーティストが勢揃い!
3~4世代にまたがる86組のアーティストは、次世代に多大な影響を与えたモンティエン・ブンマー(タイ)、ロベルト・ チャベット(フィリピン)をはじめ、90年代に国際的に注目されはじめたアジアン・アーティストのスター、リクリット・ティラバーニャ(タイ)、ウォン・ホイチョン(マレーシア)、ヘリ・ドノ(インドネシア)、ティファニー・チュン(ベトナム)たち、さらに、70~80年代生まれの若い世代として、すでに世界中からオファーがあるホー・ルイ・アン(シンガポール)、コラクリット・アルナーノンチャイ(タイ)など、大注目のアーティストが勢揃いです。
SNS映えする作品も多数!
大型インスタレーションや参加型作品等、写真撮影可能な作品もたくさんあります。
- NACT 国立新美術館で展示
- MAM 森美術館で展示
作家の父親が、チェンマイのワローロット市場で営んでいる生地店「OKストア」を展示室内に再現したインスタレーション作品。内部には家族や親戚、市場の他の商店経営者など、約50人を描いた絵画が展示されます。
ナウィン・ラワンチャイクン (b.1971) タイ
《ふたつの家の物語》 2015年
インスタレーション 387×794×267 cm
Courtesy: Navin Production, Chiang Mai, Thailand
9枚のパネルの指文字は、左からDEMOKRASI(インドネシア語で「民主主義」)のアルファベットを示します。パネルの手前には、指文字に対応するアルファベットが刻まれたスタンプが置かれ、鑑賞者は自由に紙に押すことができます。
FXハルソノ (b.1949) インドネシア
《声なき声》 1993-1994年
シルクスクリーン、キャンバス、木の椅子、スタンプ
キャンバス:各143.5×95.5 cm、木の椅子:各23×38×32 cm(9点組)
所蔵:福岡アジア美術館
1000個を超える風鈴が、風に揺れ音を奏でるインスタレーション。プラスチック製の色鮮やかな装飾は、東南アジアの祝祭性と大量生産に支えられたグローバル経済を表し、揺れ動くことで変化の兆しを予感させるようにも見えます。
フェリックス・バコロール (b.1967) フィリピン
《荒れそうな空模様》 2009年
インスタレーション サイズ可変
発展するマレーシア中で何が作られ、何が破壊され、何が保存されようとしているのかを見つめることで、国家の在り方を問う圧倒的な密度の大型コラージュ作品。
リュウ・クンユウ (b.1960) マレーシア
《そびえ立つ街》(「私の国への提案」シリーズより) 2009年
フォトモンタージュ 213×575 cm
14名のキュレトリアル・チームによるASEAN10ヵ国2年半にわたる現地調査の成果
ASEAN 10ヵ国16都市を、現地若手キュレーターを含む14名のキュレトリアル・チームで2年半にわたり調査を実施しました。アーティストの創作活動の現場、ギャラリーやアート関係者など400件を超える訪問から知り得たファーストハンドの情報をもとに、86組のアーティストを選定。キュレーター陣が感じた東南アジアの躍動感、息づかい、リアリティを感じることができます。調査の様子は、こちらからご覧いただけます。
六本木エリアの2大美術館をフェス感覚で巡る!
今や東京のアートの一大聖地となった六本木エリア。界隈に点在するギャラリーをのぞきつつ、 2会場を巡る、まさにフェス感覚で楽しめる展覧会。料金も2館で1,800円(前売は1,600円)と、お得な設定です(通常単館1,600円程度)。また、森美術館は火曜日を除き毎日22時まで開館していることに加え、国立新美術館も金曜・土曜は21時まで開館延長します。時間を気にせずじっくりと作品を鑑賞できます。
東南アジアをフィーチャーした関連イベントも実施!
本展開催期間中、東南アジア各国の良作、話題作を紹介する映画上映会や、各国の「今」を面白くわかりやすくお伝えする講演・講座など、多彩な関連イベントを実施します。