ガブリエル・アブランテス(1984年、米国ノースカロライナ州生まれ、リスボン在住)は、脚本、監督、プロデューサー、俳優として、映画やビデオで映像表現を探求してきました。ポストコロニアル、ジェンダー、アイデンティティなど、歴史的、政治的、社会的なテーマを扱うことで知られています。時に不条理で、ユーモアのある斬新なストーリー展開は、神話、伝承、史実、社会通念などに捻りを加えることで作り出されています。また、メロドラマ、ロマンティック・コメディ、戦争や冒険映画など、ハリウッド映画から流用した、大衆に馴染みのある表現によって、問題提起を行いながらも、親しみやすい作品となっていることも特筆に値します。
本展では、ルーブル美術館にある平凡な装飾彫刻である少女が、美術館を飛び出し、パリの街角で現実社会と対峙する《石娘の奇妙な冒険》(2019年)と、同作品から派生した《ホテルの一室で言い争う2体の彫刻》(2020年)、ユーモアの人類学をテーマに先住民の少女と人工知能の恋を描いた《人工的なユーモア》(2016年)、アリストファネスによるギリシャ喜劇『鳥』の現代における再演ともいえる《鳥》(2012年)を展示します。
上映作品
1. 《石娘の奇妙な冒険》 2019年 19分53分
2. 《ホテルの一室で言い争う2体の彫刻》 2020年 1分24秒
3. 《人工的なユーモア》 2016年 29分7秒
4. 《鳥》 2012年 17分45秒
本プログラムは全体約70分で、下記の時間より上映を開始いたします。
10:00、11:10、12:20、13:30、14:40、15:50、17:00、18:10、19:20、20:30
※4月29日、5月6日を除く火曜日は17:00閉館、最終上映回は15:50です。
ガブリエル・アブランテス
1984年、米国ノースカロライナ州生まれ、リスボン在住。これまでにパレ・ド・トーキョー(パリ、2010年)、インスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アーツ(ロンドン、2014年)、MITリスト・ビジュアル・アーツ・センター(ボストン、2013年)、クンストヴェルケ現代美術センター(ベルリン、2013年)、グルベンキアン・モダン・アート・センター(リスボン、2016年、2023年)、テート・ブリテン(ロンドン、2016年)、リンカーン・センター(ニューヨーク、2016年)、カイシャ・フォーラム(マドリード、2016年)、テート・モダン(ロンドン、2019年)、MAATアート・建築・テクノロジー・ミュージアム(リスボン、2020年)、ザルツブルク・クンストフェライン(オーストラリア、2021年)などで作品を発表し、第68回ベネチア国際映画祭(2011年)、第32回サンパウロ・ビエンナーレ(2016年)、第16回リヨン・ビエンナーレ(2022年)などの国際展に参加。
2009年にポルトガルのEDPニュー・アーティスト・アワード、2010年にロカルノ国際映画祭で金豹賞、2014年と2016年にベルリン国際映画祭でヨーロッパ映画賞を受賞。長編映画《ディアマンティーノ》(2018年、ダニエル・シュミットと共同監督)は、第71回カンヌ国際映画祭(2018年)で国際批評家週間グランプリを受賞するなど、高い評価を得ている。