展覧会

MAMリサーチ011:東京アンダーグラウンド 1960-1970年代―戦後日本文化の転換期

2025.2.13(木)~ 6.8(日)

1960年代後半から 1970年にかけて、東京の都市空間を中心に日本の芸術界において「アンダーグラウンド」、通称「アングラ」が一世を風靡しました。「前衛」に代わって最先端の芸術の集合点となったアンダーグラウンドは、米国から実験映画を通じて日本に輸入され、美術、音楽、漫画、デザイン、演劇、舞踏などの分野にも広がり、わずか数年で一般社会に認知される流行となります。しかしながら、当時の反体制運動と交わって定着したが故に、運動の衰退とともに1970年代前半には姿を消します。現象として短命であったものの、アンダーグラウンド文化は戦後日本社会に多大な影響を与え、今日でもひとつの様式として残っているといえます。また、アンダーグラウンド文化は、その性質上、物理的な「作品」よりも一時的な「出来事」に注目し、その担い手を受け入れる「場所」を重視しました。そのため、アンダーグラウンドは時代の雰囲気として捉えられ、その実態はいまだに解明されていません。

「MAMリサーチ011:東京アンダーグラウンド 1960-1970年代―戦後日本文化の転換期」では、東京におけるアンダーグラウンド文化の盛衰をテーマに、それを伝えるのにふさわしいエフェメラ(一時的な使用を目的とした印刷物)を中心とした多くの資料を展示します。さらに、それらの資料を調査することで、「アングラ」の歴史、その思想と担い手たち、そしてその広がりと限界を詳細に振り返ることを試みます。


「草月シネマテーク:アンダーグラウンド・シネマ 日本・アメリカ」ポスター
「草月シネマテーク:アンダーグラウンド・シネマ 日本・アメリカ」ポスター
1966年
画像提供:慶應義塾大学アート・センター
『別冊 キネマ旬報8月号:アングラ’68 ショック編』
『別冊 キネマ旬報8月号:アングラ’68 ショック編』
1968年
©横尾忠則
基本情報
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MAMリサーチ011:東京アンダーグラウンド 1960-1970年代―戦後日本文化の転換期


「MAMリサーチ」とは?

「MAMリサーチ」は、アジア各地におけるアーティスト、キュレーター、芸術運動、インスティテューションなどに注目しながら、社会的にも政治、経済的にも複層的な背景から生まれてきたアジアの現代アートについて考察し、その歴史的文脈を明らかにしていこうとする試みです。各地のアーカイブ、研究機関、研究者との協働企画を前提に、展示は作品に限定せず、記録映像、写真、文書、資料などを紹介します。

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