「六本木クロッシング」は、2004年に第1回めが開催されました。
その「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」に出展した会田誠さんのスペシャルインタビューが完成。
ぜひご覧ください。
沖縄の人々や風景に、ときとして撮影者と被写体の境界を超えるほど接近する石川竜一、自らの姿とその分身のような人形を重ねあわせる片山真理、他者と自分との間に奇妙な関係性を設定する百瀬文、取材した人の身体の一部や所持品をモチーフに絵画を描く松川朋奈。自己と他者の境界を踏み越えて行くような表現を通して、「自分」を定義する身体性やアイデンティティについて考察します。
リサーチを通して日本とアジアの国々の歴史に焦点を当てる藤井光、親戚などの身近な人の話を通してある人物の戦時中の様子を仔細に調べ、想像力豊かに独自の視点で当時の情景を描きあげる後藤靖香、過去の人物や出来事に自らを重ねる佐々瞬、アラン・レネ監督の『ヒロシマ・モナムール』へのオマージュとして広島を舞台にした映像を撮るジュン・ヤンなど、過去に新たな光を当てそれを今に繋げる作品が登場します。
フィクションとドキュメンタリーが交錯する物語を作る小林エリカ、メインストリームの歴史に隠されたドラマに焦点を当てるナイル・ケティング、日本で働く労働者の声を拾う高山明、グローバリズムから隔絶された、失われつつある風景を描く志村信裕など、独自の視点によって浮かび上がる、語られてこなかったもう一つのストーリーが展開されます。
奇妙な物体が生き物のように動く作品を制作する西原尚、来館者の参加を促すインスタレーションを作る野村和弘、擬人化されたモノが主役のステージを見せる山城大督。パフォーマンス的要素を伴うインタラクティブな表現のなかで、モノたちは装置や楽器などの機能性を超えて生き生きと活躍し、生命の営みや他者との共存への考察を促します。
神話や音楽に現れるホモセクシャリティのイメージを拾いあげ、現代の問題に重ねながら幻想的なフィクションを作り上げるミヤギフトシ、iPS細胞によって将来可能になるかもしれない同性カップル間に誕生する子どもをテーマにする長谷川愛。社会の変化、科学の発達のなかで変容するジェンダーや生命の問題に焦点を当て、私たちの未来について考えます。