只今開催中の参加型アート「リー・ミンウェイとその関係展」ではリーに関係する様々なアーティストを紹介してきました。最後にご紹介するのは「参加型アート」の日本における先駆者のひとり、小沢剛とロサンゼルスを拠点に国際的に活躍するコンセプチュアル・アーティスト、田中功起です。
小沢 剛(1965年~)
《ベジタブル・ウェポン―芋煮/福島》
2012年
タイプCプリント
36.5 × 28.6 cm
Courtesy: MISA SHIN GALLERY, Tokyo
1991年に提唱された概念「相談芸術」など、他者が参加することで成立する「参加型アート」の日本における先駆者のひとり。その後も、作品制作プロセスや展示空間で観客や自分以外のアーティストを巧みに巻き込みながら作品を発展させてきました。「ベジタブル・ウェポン」シリーズは「食」を介して政治的、文化的な差異を越えようとするプロジェクトで、2001年以降、世界各地で50回以上実施されています。
田中功起(1975年~)
《どれもこれも》
2003年
DVD、カラー、サウンド
30分(ループ)
所蔵:森美術館、東京
ロサンゼルスを拠点に国際的に活躍するコンセプチュアル・アーティスト。映像やインスタレーションによる作品と併行し、執筆や講演など言葉による実践も精力的に行っています。日常生活における平凡な現象をループ映像にした初期作品から発展し、近年では複数の人間が関与することで生まれる複雑な関係性や心理状態などを映像やインスタレーションで見せています。出品作《どれもこれも》はその転換期の作品ともいえます。
<関連リンク>
・「リー・ミンウェイとその関係展」作品紹介
(1)関係性、つながり、あいだについて考える
(2)歩く、食べる、眠る―日々の営みを再考する
(3)パーソナルな記憶から歴史、文化、社会のつながりを考える
(4)「参照作品」を読み解く:白隠/今北洪川/鈴木大拙
(5)「参照作品」を読み解く:久松真一/イヴ・クライン/ジョン・ケージ
(6)「参照作品」を読み解く:李禹煥/アラン・カプロー/リクリット・ティラヴァニ
(7)「参照作品」を読み解く:小沢 剛/田中功起
・スペシャル対談:リー・ミンウェイ×片岡真実
(1)“参加するアート”とは?
(2)「ギフト」を贈ることもアートになる
(3)観客が参加することで、さらに豊かになるアート
・「リー・ミンウェイとその関係展:
参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」
会期:2014年9月20日(土)-2015年1月4日(日)
・「MAMプロジェクト022:ヤコブ・キルケゴール」
会期:2014年9月20日(土)-2015年1月4日(日)