模型の森
活動初期から現在計画中のものまで、藤本の全てのプロジェクトを紹介する大型インスタレーション《模型の森》を展示します。300㎡を超える巨大空間に、模型や素材、アイデアの断片であるオブジェなどが無数に、年代順に配置され、1つの「森」として表現されます。1つのプロジェクトが別のプロジェクトに繋がり発展する流れも提示し、藤本建築の全貌を表します。

《模型の森》(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects

《模型の森》(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects
年表
倉方俊輔(建築史家、大阪公立大学教授)とのコラボレーションにより、藤本の活動の軌跡を総覧する年表を掲示します。プロジェクトだけでなく、藤本の言葉や思想を、建築や社会の事象と並置して見せることで、藤本建築の歴史的文脈も読み解くことができます。《武蔵野美術大学美術館・図書館》、《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》、《ラルブル・ブラン(白い樹)》、《ハンガリー音楽の家》など主要作品の写真もあわせて展示します。
ブックラウンジ
窓から外の景色が見える開放感のある展示室に、間(あわい)をコンセプトとするブックラウンジを併設。藤本自身の著作だけでなく、本展コラボレーターの幅允孝(ブックディレクター、有限会社バッハ代表)が選書した関連書籍も並び、藤本の思想にゆったりと思いを巡らせることができます。読書に没頭したり、風景を眺めながら小休憩したりと、「本を読む/読まない」の「間」としての空間が出現します。
人が動く模型
《安中環境アートフォーラム》(2004年計画案、群馬)、《エコール・ポリテクニーク・ラーニングセンター》(2024年、フランス、サクレー)などの建築模型に、プロジェクターで人の動きを投影します。設計時にシミュレーションされた利用者の動きからは、建築が単体として存在するのではなく周囲との関係性で成立し、1つの空間が内側でもあり外側でもあるという両義性や、道でもあり同時に広場でもあるという場所の性質の多様性など、藤本の空間に対する思想を読み解くことができます。
「2025年大阪・関西万博」大屋根リング
万博会場のシンボルであり、世界最大級の木造建築物となる「大屋根リング」の5分の1部分模型(高さ約5メートル)を展示します。リングがつくる内側と外側、その間の領域や関係性を体験すると同時に、全体像も概観でき、「世界が多様でありながら同時に1つになる」というコンセプトを実感する場となります。また、本作の構想段階から完成に至るまでの資料も展示し、その歩みと議論も振り返ります。

「2025年大阪・関西万博」大屋根リング模型(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects

「2025年大阪・関西万博」大屋根リング模型(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects

「2025年大阪・関西万博」大屋根リング模型(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects

「2025年大阪・関西万博」大屋根リング模型(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects
建築同士の対話
《石巻市複合文化施設》(2021年、宮城)、《ハンガリー音楽の家》など、藤本が手掛けた複数の建築作品が擬人化され、それらが会話を交わすという設定の作品。会話を通じ、各作品の特徴や設計された背景、思想を浮かび上がらせます。
国際センター駅北地区複合施設(仮称、仙台)
仙台市に建設される、音楽ホールと震災メモリアルの拠点となる複合施設(2031年度竣工・開館予定)の大型模型。2024年の公募型プロポーザルで、藤本は「たくさんの/ひとつの響き」をテーマに提案し、基本設計者に選出されました。「バラバラであると同時に1つである/多様なものが響き合う/求心性と拡散性」という藤本の「オープン・サークル」の理念が具現化されるものです。設計や提案に至るプロセスがわかる資料も公開し、プロジェクトの全貌を紹介します。

《国際センター駅北地区複合施設(仮称、仙台)》
2031年竣工予定
宮城
© Sou Fujimoto Architects

《国際センター駅北地区複合施設(仮称、仙台)》
2031年竣工予定
宮城
© Sou Fujimoto Architects