展覧会

未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか

豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何か

2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日)

展覧会の構成:5 つのセクション

セクション1 都市の新たな可能性

人類が築く新たな都市は、砂漠や海上、空中へと広がりつつあります。それらの都市は、1960年代に日本の若手建築家が構想したメタボリズム(*1)の再来を思わせます。その多くは当時の技術では実現することができませんでしたが、今日では、情報技術やバイオ技術の発達により、環境に負荷をかけず持続可能な、真のメタボリズム都市が実現しつつあります。本セクションでは、最先端の都市計画や、アーティスト、建築家が描くユニークな都市像を写真や映像、模型などを通して紹介します。

*1 メタボリズム:1960年代に黒川紀章、菊竹清訓、槇文彦、栄久庵憲司らが展開した日本独自の建築運動および理論。「新陳代謝」を意味する用語で、生命が成長、変化を繰り返すように、建築や都市も有機的にデザインされるべきであるという理念に基づく。

ビャルケ・インゲルス・グループ《オーシャニクス・シティ》
ビャルケ・インゲルス・グループ
《オーシャニクス・シティ》
2019年

セクション2 ネオ・メタボリズム建築へ

環境にやさしい有機的な建材の開発、3Dプリンター、ドローン、ロボット工学に代表される先端テクノロジーを駆使した新工法など、今日の建築の最新の動向を紹介します。それらによって実現する、自然と共生し、持続可能で可変的、柔軟に新陳代謝する建築は、新たなメタボリズム=ネオ・メタボリズムの可能性を示唆しているかのようです。

WOHA《オアシア・ホテル・ダウンタウン》
WOHA
《オアシア・ホテル・ダウンタウン》
2016年
撮影: Patrick Bingham-Hall

セクション3 ライフスタイルとデザインの革新

技術の革新は、私たちの衣食住のあり方を着実に変えています。コンピューターによるモデリングや 3Dプリンターの登場はデザインの歴史を大きく刷新し、人工食材の開発は、人口増加や食料不足など地球規模の問題に対する解決方法のひとつとされています。本セクションでは、最先端のテクノロジーや斬新なコンセプトから誕生するデザインやプロダクトに着眼し、新しいライフスタイルの可能性について考察します。

エイミー・カール《インターナル・コレクション》
エイミー・カール
《インターナル・コレクション》
2016-2017年

セクション4 身体の拡張と倫理

ロボット工学とバイオ技術の進歩は人間の能力を高め、不治の病を克服することを可能にしつつあります。それは素晴らしいことですが、一方で、私たち人間が自身の身体をどこまで拡張、変容させて良いのか、という倫理上の問いも浮上しています。本セクションでは、人間にとって最も大きな関心の対象である身体に焦点を当てます。

ディムート・シュトレーベ《シュガーベイブ》
ディムート・シュトレーベ
《シュガーベイブ》
2014年-
アギ・ヘインズ《体温調整皮膚形成手術》
アギ・ヘインズ
《体温調整皮膚形成手術》(「変容」シリーズより)
2013年

セクション5 変容する社会と人間

テクノロジーの発達に伴う新しい価値観は、これまで当たり前とされてきた人間像や社会像を大きく覆します。例えば、人間がロボットに看取られる時代や、3人以上の親の遺伝子を継ぐ子どもを「共有」する未来が訪れるかもしれません。本展最後のセクションでは、「人間」や「生命」、「幸福」の定義の再考を促し、私たちがよりよい未来に向かうためにどうすべきかを問いかけます。

ザカリー・カネパリ&ドレア・クーパー《ザ・ドッグ》
ザカリー・カネパリ&ドレア・クーパー
《ザ・ドッグ》
2015年
手塚治虫《火の鳥 未来編》
手塚治虫
《火の鳥 未来編》
1967-1968年
©手塚プロダクション
基本情報
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