ルイーズ・ブルジョワ略歴
1911年パリでタペストリー専門の商業画廊と修復アトリエを経営する両親の次女として生まれる。父親の支配的な態度、病気に苦しむ母親を長きにわたり介護していたことが、幼いブルジョワに罪悪感や裏切りの感情、見捨てられることへの恐怖心を植え付けた。1932年、二十歳のときに母親が死去。同年に、ソルボンヌ大学数学科に入学するも、母を亡くした悲しみからアーティストとしてのキャリアを志望するようになる。その後、ソルボンヌ大学、パリ国立高等美術学校、エコール・デュ・ルーヴル、アカデミー・ドゥ・ラ・グランド・ショミエールでアートを学ぶ傍ら、フェルナン・レジェを始めとするアーティストのスタジオに通う。1938年、アメリカ人美術史家のロバート・ゴールドウォーターとの結婚を機にニューヨークに移住し、1940年代半ばから作品を発表。1957年にアメリカの市民権を取得。1982年には女性彫刻家としては初となるニューヨーク近代美術館での大規模個展が開催された。1989年フランクフルト芸術協会(ドイツ)にてヨーロッパでの初個展を開催し、1993年にベネチア・ビエンナーレのアメリカ館の代表となる。以降、ポンピドゥー・センター(パリ、1995年)、横浜美術館(1997年)、テート・モダン(ロンドン、2000年)などで重要な個展を開催。2010年に他界。
没後もバイエラー財団(スイス、バーゼル、2011年)、フロイト博物館(ロンドン、2012年)、ストックホルム近代美術館(2015年)、ハウス・デア・クンスト(ドイツ、ミュンヘン、2015年)、ニューヨーク近代美術館(2017年)、龍美術館(中国、上海、2018年)、ヘイワード・ギャラリー(ロンドン、2022年)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク、2022年)、ベルヴェデーレ美術館(ウィーン、2023-2024年)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー、2023-2024年)など、世界の主要美術館で個展が開催されている。