展覧会

アナザーエナジー展:
挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人

2021.4.22(木)~ 2022.1.16(日)

参加アーティスト16人全員が70代以上、アーティストとしてのキャリアは50年以上!

戦後動乱期の1950年代から1970年代にかけて活動を始め、2021年の現在に至るまで世界各地で制作活動を続ける女性アーティスト16人に光を当てます。年齢は71歳から105歳まで、彼女たちの50年以上におよぶキャリアを、初期作品から代表作、本展のための新作まで多角的に紹介します。

世界14か国出身のアーティストたちは、世界をどう見てきたのか

アーティスト16人の出身地、現在の活動拠点、表現方法、さらに生き方は実に多様です。各アーティストの実践や人生を通して、フェミニズム、移民の歴史など、世界の問題や数々の事象が見えてきます。

美術史のさまざまな解釈

グローバリズムが広がり、多文化主義への理解が進むなか、美術の世界でも、それまで欧米を中心に語られていたアートから脱却し、様々な地域の文化や歴史を主題にする作品や、非欧米圏出身のアーティストが注目されるようになりました。また、それまで一元的に捉えられていた美術史は、それぞれの歴史、人種、民族、ジェンダーなどに基づく多元的なものとして理解され始めました。本展の参加アーティストの活動が注目されるようになった今世紀(2000年以降)に、このアートの潮流が大きく重なります。

各作家の独自性や作品の存在感を提示できる空間スケールを重視しつつ、作家同士のつながりが見えてくる多彩な展示構成

本展は、長いキャリアを誇る女性アーティストを網羅的に見せるいわゆる「サーベイショー」とは異なり、アートの国際的動向へ目を向けながらも、各アーティスト独自の作家性、文脈や作品の存在感を提示できる空間スケールを重視しています。また、全く異なる背景をもつアーティストたちの作品を併置することで、地域や文化圏を超越した視覚的な共通性や類似性を示しつつ、それぞれの作品の背景にある文脈や独自性を浮き彫りにすることを試みます。

展示とアーティストにさらに迫る展覧会カタログ2種

本展の開幕に際し、「ガイド版」と通常版2種の展覧会カタログを刊行します。展覧会鑑賞の手引きに適した「ガイド版」は、展覧会初日の4月22日に発売。二人のキュレーターによる主論考2本と対談のほかに、各アーティストの解説や作品図版などを掲載します。一方、通常版には、前述の主論考2本に加え、各アーティストの個人史や作品の変容に焦点を当てた世界各地の専門家による論考16本、さらに本展の展示風景図版を掲載して6月上旬から販売予定です。美術館における展覧会での実体験とあわせ、本カタログを通してさらにアーティストたちの「アナザーエナジー」を知ることができます。

カルメン・ヘレラ
《ディプティク》
1978年
アクリル絵具、キャンバス
127.6×254×5.7 cm
所蔵:エル・ムセオ・デル・バリオ(ニューヨーク)トニー・ベチャラ寄贈
ヌヌンWS
《Verzon 2番》
2020年
アクリル絵具、キャンバス
150×125 cm
基本情報
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