アメリカのフォトジャーナリズムの草分けであるジェイコブ・A・リースやルイス・W・ハインによる19世紀末から20世紀初頭の写真や、第二次世界大戦中にカリフォルニア州の日系人収容所の様子を写した宮武東洋の写真、戦後、澤田美喜によって建てられた混血孤児を養育する施設、エリザベス・サンダース・ホームの子どもたちを撮った影山光洋の写真など、貴重な歴史資料を展示します。
思春期の子どもの意外な表情を捉えたポートレートで一躍国際的に脚光を浴びたオランダのフォトグラファー、リネカ・ダイクストラ、2009年のベネツィア・ビエンナーレでオランダ館を代表した映像作家のフィオナ・タン、マレーシアを代表する社会派アーティストのウォン・ホイチョンは、日本初公開作品を発表します。
さらに、日本初の出展となるジャン・オーや、昨年、パレスチナが舞台の映画「自由と壁とヒップホップ」が日本で公開され話題となった、スヘール・ナッファール&ジャクリーン・リーム・サッロームなど、国際的に注目度の高い、気鋭の作家たちの作品を紹介します。また、本邦初公開となる奈良美智の《ミッシング・イン・アクション》も必見です。
照屋勇賢は、沖縄のヤンバルの森を舞台にした新作インスタレーションを、山本高之は、現実と想像の世界を軽々と往来する子どもたちが作る「地獄」のワークショップ作品を発表します。
移民や国際養子縁組、オーストラリアのアボリジニやトルコのロマ族、在日コリアンのコミュニティなど、子どもの姿から見えてくる社会のさまざまな諸相を、展示に加えレクチャーなどの関連プログラムを通して考え、議論します。