フランスのコレクター団体「ADIAF」が選んだマルセル・デュシャン賞の受賞作家とノミネート作家の作品を一同に集めた「フレンチ・ウィンドウ展」。日本を代表する現代美術コレクターの一人、西高辻信宏氏の眼にはどう映ったのか?今回は、『HILLSLIFE』48号で紹介された特集記事を前回に続いて、ご紹介します!
『HILLSLIFE』とは
森美術館のある六本木ヒルズや表参道ヒルズのストリートの話題からトレンド情報など、楽しい情報満載のエリアマガジンです。
http://www.roppongihills.com/hillslife/
左 アートコレクターの西高辻信宏さん
右 リシャール・フォーゲ 《無題》 1996-2004年
国立現代美術基金(FNAC)蔵、パリ
Courtesy: ART:CONCEPT, Paris
撮影:渡邉 修
プラスチック片を用いて、美術史上に残る傑作のモチーフをシルエットにして並べてある。「作品内を逍遥していると、知らぬ間に美術の厚い歴史に触れていたりする。作品を読み解く楽しさがたっぷり含まれています」(西高辻)
マチュー・メルシエ 《ヘルメット》 1998年
クレマンス&ディディエ・クルゼントゥツキー氏蔵、パリ
展示風景:「無題 1993-2007年」パリ市立近代美術館、2007年
©ADAGP, Paris & SPDA, Tokyo, 2011
ピカピカに光る球形が壁の高い位置に設置されている。よく見れば、それはヘルメットである。「作品と対峙すれば、見る側の姿が否応なく映し出されます。観客が参加して初めて成立するアートといえますね」(西高辻)
グザヴィエ・ヴェイヤン 《ブラインド・スカルプチャー(ルノー)》 2006年
ジル&ナデージュ・ブランカエル氏蔵、リヨン
Courtesy: the Artist and the Galerie Emmanuel Perrotin, Paris
撮影:渡邉 修
©ADAGP, Paris & SPDA, Tokyo, 2011
肉体をごく単純な要素に還元し、人間の存在の本質はどこにあるかをユーモラスに探る。ヴェイヤンの作品は館を飛び出し、六本木ヒルズ森タワーのエントランス前にも《四輪馬車》が設置されている。
マチュー・メルシエ 《無題》 2007年
Courtesy: Galerie Lange + Pult, Zurich and the Artist
撮影:渡邉 修
©ADAGP, Paris & SPDA, Tokyo, 2011
マルセル・デュシャンの《フレッシュ・ウィドウ》を踏まえて制作された作品。「透明なドアの向こうに東京の街が透けて見える。森美術館での展示ならではの効果ですね」(西高辻)
~HILLS LIFE 48号より~
<関連リンク>
・アートコレクター西高辻信宏さんのフレンチ・ウィンドウ展、ご案内します。
第1回 ~デュシャンは、フランス現代アートの出発点第2回 ~森美術館ならではの展示です
第3回 ~フランス現代アート、伝統の底力
・「フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」
会期:2011年3月26日(土)~8月28日(日)
・森美術館flickr(フリッカー)
展示風景「フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」
展示風景「フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」(2)