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「まちと美術館のプログラム」が本格始動! 日本フィルハーモニー交響楽団「森あわせ~building a forest~」を開催しました

2017.8.16(水)

六本木ヒルズと森美術館の連携プログラム「まちと美術館のプログラム」が本格始動しました。2016年に開催した東京工業大学准教授の伊藤亜紗さんとの共同企画ワークショップ「視覚のない国をデザインしよう」 (活動レポートはこちら)に続く第2弾が、2017年4月30日に開催されました。

誕生して14年を迎えた六本木ヒルズは多くの人に親しまれていますが、この先の未来においても、つねに新たな情報に出会い、新鮮な発見ができる街、人と共に変化しながら成長する街でありたいと考えています。「まちと美術館のプログラム」は、従来の六本木ヒルズのイメージにとらわれずより新たな視点から街を見直すことや、参加者の主体的な体験を促すことなどを通して、多様な学びを共有するプログラムを目指しています。

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スタート地点でカードをもらって六本木ヒルズの散策に出発。新緑の毛利庭園を探索!

2017年、六本木ヒルズのゴールデンウィークのテーマは「音楽」。暮らしの中の身近な存在である「音楽」を切り口にこの街を再発見できないだろうか。これが出発点となり、ワークショップ「Collaboration with 日本フィルハーモニー交響楽団『森あわせ~building a forest~』」が生まれました。企画および講師としてお招きしたのは同交響楽団のマイケル・スペンサー氏。スタッフも加わり内容を検討する中、六本木ヒルズの中の5つの地点をめぐりながら他者とのコミュニケーションを通じて街の再発見を楽しんだ後、その経験を生かして新たな音楽体験を共有することが構想されました。

そこで、前半は、新緑の六本木ヒルズで自然を堪能しながらパブリックアートをめぐり、また、普段は買物以外でコミュニケーションすることの少ない店舗スタッフや、街の重要な機能である警備員といった働く人々と参加者とが対話を楽しむ機会を盛り込みました。そして後半は、街での体験を発展させ、この季節にぴったりなヴィヴァルディ作曲《四季より「春」》の弦楽四重奏の演奏に参加してもらうことに。

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マイケル・スペンサー氏

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六本木ヒルズを散策しながら、さまざまな人と出会い、対話を楽しむ参加者たち。

マイケルさんの「今日は冒険です!」という言葉からプログラム開始。参加者は子どもから大人まで、親子で参加する方も。まず、それぞれ異なる行き先が書かれた葉っぱ型のカードを手にして街の探索に出発。5つの地点で待機するファシリテーターや店舗スタッフから出題されるクイズを解いて回ります。パブリックアートの《ママン》(66プラザ)、《薔薇》(ローズガーデン)、《Kin no Kokoro》(毛利庭園)、スターバックスコーヒー(ウェストウォーク ラウンジ店)、アディダス ブランドコアストア、そして、ヒルズ内を巡回する警備員にも協力していただきました。

各地点で出されるクイズには、小鳥の声や水の音に耳を澄ませるなど後半の「音楽」の時間へ繋がるクイズのほか、コーヒー豆の香りを嗅ぎ分けたり、店舗の歴史、アート作品にまつわる新発見ができるようなものもありました。街で働く人たちとの出会いは新鮮だったのか、子どもたちも店舗スタッフと話が弾み、警備員には仕事内容のことだけでなく、「有名人に会えますか?」という質問も飛び出していました。プロの演奏家である日本フィルのファシリテーターの方々も、各地点で対話を盛り上げました。

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店舗スタッフとの対話も盛り上がりました。

スタート地点に戻ってくると、マイケルさんの「街の散策のなかで、水の音や小鳥の声は聞こえましたか?」という問いかけから音楽ワークショップが開始。小さな楽器や自分の身体を使ってできる小川のせせらぎ、小鳥の声、嵐の音などの表現を教わり、300年前のイタリアの自然を表わした楽曲、ヴィヴァルディの《四季「春」》を、子どもも大人も夢中になって一緒に演奏しました。

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本物の弦楽四重奏の演奏に参加!

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日本フィルハーモニー交響楽団のみなさん。参加した子どもたちの数人と一緒に。

参加者からは、「ヒルズに豊かな自然があるとは驚きでした」「ショップの方々を巻き込んでのワークショップで、“街全体”という感じを味わえました」「ヒルズ館内で演奏、踊るという体験が新鮮」「音楽にストーリーがあることや音に表情があることを発見。それに加わる楽しさがありました」といったご感想をいただきました。これからも、「まちと美術館のプログラム」では好奇心と冒険心を持って、街を舞台にしたプログラムを開催していきます。ご期待ください。

文:白濱恵里子(森美術館アソシエイト・ラーニング・キュレーター)
撮影:御厨慎一郎

※記録映像もご覧いただけます。動画はこちらから。

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