アージェント・トーク032:
選択の重要性―アーティストと美術館は制作、収集、展示、保管 そして保存においていかに選択をするのか?
日英同時通訳付
現代美術は多様化し、インスタレーション、映像やパフォーマンスなど、その素材や表現は様々です。そして、それらは時に脆く、有機的で、意図的に纏まりがなかったり、複雑多岐な作品となって現われ、再展示や保存、継承において、より良い方法、素材などの選択を複雑化させています。そのようなあらゆる選択について、アーティストのみならず、キュレーター、アートインストーラー、そしてコンサヴァターなどのあらゆる専門家がアーティストと共に考え、複雑な現代美術作品をより深く議論するプログラムを開催します。 本トークでは、過去19年間ニューヨーク近代美術館(MoMA)での保存活動の実践に携わっているアソシエイト・コンサヴァターのロジャー・グリフィス氏を迎え、近現代美術の長期的な保存について必要なアーティストとの対話だけでなく、素材と制作過程に関する新しい視点をともに探っていきます。
- 日時
- 2017年6月6日(火)19:00~21:00(受付開始 18:30)
※美術館は17:00で閉館し、18:30よりお申し込みいただいた方のみに再オープンします。 - タイムスケジュール
- 19:00 ご挨拶
19:05 ロジャー・グリフィス講演
19:35 SHIMURAbros講演
20:05 パネルディスカッション
21:00 終了 - 出演
- ロジャー・グリフィス(ニューヨーク近代美術館〔MoMA〕アソシエイト・コンサヴァター)、SHIMURAbros(アーティスト)、有元利彦(HIGURE17-15cas代表)、德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
- モデレーター
- 山本智代(森美術館コンサヴァター)
- プロフィール
- ロジャー・グリフィス
ニューヨーク近代美術館(MoMA)のアソシエイト・コンサヴァター。1998年より勤務。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート/ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館保存プログラムにて修士号を取得(1997年)。メトロポリタン美術館、アムステルダム市立美術館、イースト・アングリア大学セインズベリー・センター・フォー・ビジュアル・アーツ(英国ノリッチ)などでインターンシップを修了。美術品の保存をめぐる各種の問題について著作や講演の実績がある。最近は、エフェメラルアートの展示設営、保存、保守、保管に関する美術専門家の協働プロセスのあるべき姿を研究テーマとしている。 - SHIMURAbros(シムラブロス)
シムラユカ(1976年生まれ。多摩美術大学卒、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ大学院にて修士号を取得)と弟のケンタロウ(1979年生まれ。東京工芸大学映像学科卒)から成るユニット。第13回文化庁メディア芸術祭でアート部門優秀賞を受賞。カンヌやベルリンの国際映画祭での上映をはじめ、国立新美術館(東京)、シンガポール国立大学美術館、南洋理工大学現代アートセンター(シンガポール)、台北当代芸術館、ヘッセルミュージアムオブアート、CCSバードギャラリー(ニューヨーク)、パース現代美術館(オーストラリア)、ミュージアムクォーターウイーンなど、世界各地で作品を展示。ポーラ美術振興財団から助成を受け、2014年にベルリンに移住。現在、オラファー・エリアソンのスタジオの研究員。 - 有元利彦
1983年東京生まれ。HIGURE17-15cas代表。国内外の数多くの美術館、ギャラリーや個人コレクター所蔵の現代美術作品の展示・設営に携わる。メディア・アートやインスタレーションなど、従来とは異なる再展示や保存のアプローチが望まれる現代美術作品の調査やドキュメンテーションの必要性を感じ、近年はその取り組みにも力を入れている。これまでに、メディア・アートやキネティック・アート作品の保存修復プロジェクト、再展示を念頭においたインスタレーション・マニュアルの作成、映像作品のコンディション・チェックなど、保存・再展示をテーマとする様々なプロジェクトに関わっている。