1990年代の京都、特に左京区では、アート、アクティビズム、クラブカルチャーなどが共存し、多様な表現活動が自由に行なわれていました。ダムタイプなど京都市立芸術大学出身者のまわりに、現代美術、ドラァグクィーン・パーティー「ダイアモンズ・アー・フォーエバー」、HIV/エイズの啓発を行うAPP(エイズ・ポスター・プロジェクト)、セクシュアリティを問い直す活動、様々な活動の拠点としてのアートスケープなど、多くのコミュニティがゆるやかに形成されていました。「そして私は誰かと踊る/And I Dance with Somebody」は「AIDS」の頭文字を使ったキャッチフレーズで、「第10回国際エイズ会議」のためにAPPによって考案されたものです。
文化、宗教、言語、ジェンダーの多様性や人権についての議論が高まりを見せている今日、四半世紀前の京都の、凝縮された磁場への再訪となる本展は、現代社会の閉塞感を突破するヒントとなるでしょう。
MAMリサーチ006:クロニクル京都1990s
―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る
2018.10.6(土)~ 2019.1.20(日)