出展作家
- 立石大河亞
- イン・シゥジェン(尹秀珍)
- 岩崎貴宏
- 金氏徹平
最新の科学がもたらす知見やテクノロジーの進歩によって、昨今の空間認識、世界観は変化しているといえます。重力の塊であるブラックホールなどをはじめ、宇宙における時空、すなわち時間と空間は、地球上におけるように一定ではないこと、宇宙は一つではないかもしれないこと、また数多く発見された太陽系外惑星で生命が存在する可能性があることは、ニュースなどでも取り上げられています。また宇宙的な視座に立てば、私たちがミクロやマクロと呼ぶものも、私たちのスケールに合わせたものの見方でしかないということになります。さらには、コロナ禍の影響によってオンライン会議が一般化した現在、「今、ここで、同じ空間にいる」という認識もかなり変化したといえるのではないでしょうか。
本展では、こうした地球上の重力、時間、空間、スケール感から解放された、自由な視点を表現している作品群を展示します。立石大河亞の重力が反転したかのように見える高速道路と宇宙を背景にした富士山が登場する《富士ハイウェイ》、ミクロとマクロの世界が混在する《ミクロ富士》、岩崎貴宏の重力の方向に反転し上下対称となった金閣寺《Reflection Model》、金氏徹平の様々なものがあふれ出す謎の《タワー》、イン・シゥジェン(尹秀珍)のスーツケースに入った小さな東京《ポータブル・シティ――東京》。これらは、私たちの世界が水平ではなく、さまざまなスケールや幾つもの次元で構成され、ミクロとマクロが繋がっていることを提示してくれるかのようです。
![立石大河亞《富士ハイウェイ》](../../../files/exhibitions/2021/08/26/mamc014_01.jpg)
《富士ハイウェイ》
1992年
油彩、キャンバス
194×194 cm
![立石大河亞《ミクロ富士》](../../../files/exhibitions/2021/08/26/mamc014_02.jpg)
《ミクロ富士》
1984年
油彩、キャンバス
162×112 cm
![イン・シゥジェン (尹秀珍)《ポータブル・シティ―東京》](../../../files/exhibitions/2021/08/26/mamc014_03.jpg)
《ポータブル・シティ―東京》
2005年
ミクスト・メディア
82×144×30 cm
展示風景:「フォロー・ミー!:新しい世紀の中国現代美術」森美術館(東京)2005
撮影:桜井ただひさ
![岩崎貴宏《Reflection Model》](../../../files/exhibitions/2021/08/26/mamc014_04.jpg)
《Reflection Model》
2001年
檜、ワイヤー
115×90×60 cm
展示風景:「六本木クロッシング2007:未来への脈動」森美術館(東京)2007年
撮影:木奥恵三
![金氏徹平《タワー》](../../../files/exhibitions/2021/08/26/mamc014_05.jpg)
《タワー》
2009年
ビデオ
30分(ループ)
作画:金氏徹平、森千裕、板垣賢司
撮影:金氏徹平
編集:板垣賢司
音楽:金氏徹平、八木良太