黄昏の街

作家名 : 梅津庸一/Umetsu Yoichi(1982-)
出身/在住 : 日本
制作年 : 2019-2021
素材:
サイズ:165×180×360 cm

梅津庸一は画家として活動を始め、明治以降の日本近代絵画の成り立ちを批評的に捉えた自画像シリーズで高く評価される。絵画以外にもパフォーマンスを記録した映像などを発表、近年は陶の作品も精力的に制作している。その他、キュレーション、執筆、共同体「パープルーム」の運営など、多岐にわたる活動を展開。近年の主な個展に、「未遂の花粉」(愛知県美術館、2017)、「梅津庸一展 ¦ ポリネーター」(ワタリウム美術館、東京、2021)、グループ展には「百年の編み手たち―流動する日本の近現代美術―」(東京都現代美術館、2019)、「平成美術:うたかたと瓦礫1989–2019」(京都市京セラ美術館、2021)などがある。

《黄昏の街》は、陶製の立体143点が、方舟を思わせる多角形の台座に設置された作品。さまざまな釉薬が施された有機的な形をしたオブジェが並ぶ様子は、廃墟となった遊園地や人類が滅んだ後の都市を連想させる。そのなかには不定形の土塊を焼いたものもあるが、具体的なモチーフが参照されているものも多い。例えば、レンコンのような穴の空いた円形は、梅津が幼少期に観たというアニメ『宇宙戦艦ヤマト』に登場する惑星「ガミラス星」に着想を得ている。そのほかにも、真珠湾攻撃で戦死した大叔父に関連する日本軍の航空母艦「加賀」の部品など、個人的な記憶や家族史などが垣間見える。それらの多様なオブジェに共通するのは、どれも器として機能しないということである。ここには、工芸の「用」を否定し鑑賞対象としてのオブジェを追求することで、陶芸を美術としようとした戦後の前衛陶芸をはじめとする日本現代陶芸に対する応答もある。梅津はこれまで、近代絵画史に自身のアイデンティティを批評的に重ねる自画像シリーズを発表してきた。陶芸史と個人的な記憶が複層的に内在する本作もまた梅津の「自画像」と言える。

黄昏の街

作家名 : 梅津庸一/Umetsu Yoichi(1982-)
出身/在住 : 日本
制作年 : 2019-2021
素材:
サイズ:165×180×360 cm

梅津庸一は画家として活動を始め、明治以降の日本近代絵画の成り立ちを批評的に捉えた自画像シリーズで高く評価される。絵画以外にもパフォーマンスを記録した映像などを発表、近年は陶の作品も精力的に制作している。その他、キュレーション、執筆、共同体「パープルーム」の運営など、多岐にわたる活動を展開。近年の主な個展に、「未遂の花粉」(愛知県美術館、2017)、「梅津庸一展 ¦ ポリネーター」(ワタリウム美術館、東京、2021)、グループ展には「百年の編み手たち―流動する日本の近現代美術―」(東京都現代美術館、2019)、「平成美術:うたかたと瓦礫1989–2019」(京都市京セラ美術館、2021)などがある。

《黄昏の街》は、陶製の立体143点が、方舟を思わせる多角形の台座に設置された作品。さまざまな釉薬が施された有機的な形をしたオブジェが並ぶ様子は、廃墟となった遊園地や人類が滅んだ後の都市を連想させる。そのなかには不定形の土塊を焼いたものもあるが、具体的なモチーフが参照されているものも多い。例えば、レンコンのような穴の空いた円形は、梅津が幼少期に観たというアニメ『宇宙戦艦ヤマト』に登場する惑星「ガミラス星」に着想を得ている。そのほかにも、真珠湾攻撃で戦死した大叔父に関連する日本軍の航空母艦「加賀」の部品など、個人的な記憶や家族史などが垣間見える。それらの多様なオブジェに共通するのは、どれも器として機能しないということである。ここには、工芸の「用」を否定し鑑賞対象としてのオブジェを追求することで、陶芸を美術としようとした戦後の前衛陶芸をはじめとする日本現代陶芸に対する応答もある。梅津はこれまで、近代絵画史に自身のアイデンティティを批評的に重ねる自画像シリーズを発表してきた。陶芸史と個人的な記憶が複層的に内在する本作もまた梅津の「自画像」と言える。

梅津庸一/Umetsu Yoichi のその他の収蔵作品

作品を探す

キーワードから探す
作家名から探す