次回展「医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る~ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト」のパブリックプログラムとして、トークセッションを2009年12月7日(月)に開催します。医学(科学)と芸術という、まったく異なるように思える両分野を横断する、ユニークなプログラムです。
《組織培養&アート・プロジェクト》
オロン・カッツ&イオナ・ズール(西オーストラリア大学シンバイオティカ主宰)
ヴィクティムレス・レザー:テクノサイエンス的「身体」で育てられた縫い目のないジャケットのプロトタイプ
2004年 作家蔵
出演者は、ノーベル生理学・医学賞を受賞したジョン・E.サルストン氏や、細胞培養などの手法を使った「バイオアート」を手がけるアーティストであり研究者でもあるオロン・カッツ氏、そして紫綬褒章を受章した分子遺伝学者の林崎良英氏など。各界で活躍するメンバーが一堂に会します。
なお、オロン・カッツ氏のグループである組織培養&アート・プロジェクトは、本展においてマウスなどの細胞を培養して作られた小さな「皮革」のジャケットの作品、《ヴィクティムレス・レザー》(2004)を出品しています。こちらもご期待ください。
トークセッション第1回:「生命とは何か―新しい医療と生命の未来」
【内容】
バイオテクノロジーや医療科学がめざましく発展する今日、遺伝子の研究が進み、ヒトを作る分子レベルの設計図、ヒトゲノムの解読がなされました。このことは私たち人間の捉え方を大きく変える画期的な発見と言えるでしょう。本トークセッションでは、科学者、アーティストが、バイオテクノロジーの最先端を概観しつつ、生命の未来について語り合います。(※日英・手話同時通訳付)
第1部では、国際ヒトゲノム解析プロジェクトで中心的役割を果たし、2002年にはノーベル生理学・医学賞を受賞したジョン・E.サルストン氏が、現代の科学と技術の発展が社会に及ぼす影響を分析するとともに、「生命とは何か」という問いを今日的視点から問い直します。
第2部では、紫綬褒章を受章した分子遺伝学者の林崎良英氏と、「組織培養&アート・プロジェクト」の一員として活躍するアーティスト、オロン・カッツ氏を交え、こうした時代に変容する私たちの死生観、人間像、そして倫理の問題について、科学と芸術の両分野から新たなヴィジョンを探ります。
【出演】
ジョン・サルストン(生物学者、2002年度ノーベル生理学・医学賞受賞)
オロン・カッツ(アーティスト、組織培養&アート・プロジェクト)
林崎良英(分子遺伝学者、理化学研究所 オミックス基盤研究領域・領域長)
モデレーター:南條史生(森美術館館長)
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※本展覧会では、この他にも様々なパブリックプログラムを開催します。詳しくは上記サイトをご覧ください。
<関連リンク>
「医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る」
会期:2009年11月28日(土)~2010年2月28日(日)