2009年11月 5日(木)

《不平の合唱団―東京》制作の舞台裏

10月23日(金)に始動したアート・プロジェクト《不平の合唱団―東京》。今回はその制作の舞台裏をレポートします。

このアート・プロジェクトのために集まったメンバーは、一般公募から抽選で選ばれた約100名。7歳の女の子から75歳の男性まで、年齢も性別も職業も、さらには合唱経験もさまざまです。このメンバーが合唱団員となり、全5日間のワークショップと2日間の本番で《不平の合唱団―東京》を創り上げるのです。

不平不満を出し切るワークショップ

第1回目のワークショップとなる今回は、アーティストと団員の顔合わせと、歌詞にする不平不満の洗い出しと選定を行いました。

はじめに、本展「MAMプロジェクト010展」のチーフ・キュレーターの片岡真実が、プロジェクトの概要を団員に説明し、アーティストの2人、テレルヴォ・カルレイネンとオリヴァー・コフタ=カルレイネンを紹介しました。続いては、団員から集まった歌詞を曲にする作曲家の大口俊輔さんと、合唱指導を担当する神田智子さん、おふたりの指導のもと、首や肩をリラックスさせるストレッチや発声練習をしました。

ウォームアップで団員の体がほぐれたところで、団員の不平不満を出しきるワークショップを開始。団員のみなさんには、応募の際に予め不平不満を書いて提出してもらっていたのですが、ここでは「出し切る」ために、ポストイットにさらにいろいろ書いてもらいました。

不平不満のサバイバル!? 選ばれたモノだけが歌詞になる

こうして出てきた不平不満を、社会、政治、恋愛など12のカテゴリーに分けた後、参加者は自分が一番強く不平不満を感じているカテゴリーに分かれ、各カテゴリーの中でどれを歌詞に残すかを決める作業を行いました。残せるのは8~15個。絞りこむのに白熱した議論があちこちで繰り広げられていました。最後は、各カテゴリーの全員が自己紹介をしながら、選んだ不平を発表。

これらの不平不満が作曲家の大口さんの手によって合唱曲になります。果たして、どのような曲になるのでしょうか。団員とスタッフ一同、とても楽しみにしています。

ワークショップ終了後はみんなで、六本木ヒルズのレストラン「地雷也」の天むすと、お店がサービスしてくださったあさりのお味噌汁を会場でいただきました。ワークショップでお腹が空いていたこともあり、みなさん黙々とおいしそうに召し上がっていました。

次回から、いよいよ合唱の練習が始まります。合唱の様子もレポートしますので、お楽しみに!

撮影:御厨慎一郎

<関連リンク>
「MAMプロジェクト010展:テレルヴォ・カルレイネン+オリヴァー・コフタ=カルレイネン」
http://www.mori.art.museum/contents/mamproject/project010/index.html
会期:2009年11月28日(土)~2010年2月28日(日)
この展覧会で《不平の合唱団―東京》の合唱映像を上映します。

練習風景は、こちらのブログにもレポートされています。
http://complaintschoir.org/tokio/

天むすのお店「地雷也」(六本木ヒルズ店)
http://www.roppongihills.com/jp/shops_restaurants/details/restaurant.php?id=211220002

Foot_icon_aww

カテゴリー:03.活動レポート
森美術館公式ブログは、森美術館公式ウェブサイトの利用条件に準じます。