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「シアスター・ゲイツ展」鑑賞のポイント5:《みんなで酒を飲もう》

2024.7.22(月)

壁一面を覆いつくす大量の陶器。これらの陶器は、貧乏徳利と呼ばれ、江戸時代後期から昭和初期まで酒屋で少量買いをする客への貸し容器として利用されていたものです。主な大きさは1升(約1.8リットル)入り、5合(約0.9リットル)入りなどがあります。日本の窯業が発展してから、常滑、備前、瀬戸、丹波などで大小さまざまなものが作られました。

本作で、ゲイツは陶芸家の谷穹(1977年~)とコラボレーションしています。これらの貧乏徳利は谷の祖父が長年をかけて蒐集していたもので、ゲイツはそこに自身のプロジェクト名である「門インダストリー」(門は英語でgate)のロゴを印字しました。実用性がなくなり、過去のものとなった貧乏徳利が、ロゴを印字されることで現代の作品として生まれ変わりました。

「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」は、2024年9月1日(日)まで開催中です。無料の音声ガイドでは、シアスター・ゲイツのコメントや展覧会を企画したキュレーターの解説も収録しています。ぜひ会場にて本展をお楽しみください。

シアスター・ゲイツ《みんなで酒を飲もう》
2024年
シアスター・ゲイツ
《みんなで酒を飲もう》
2024年
陶、酸化物
展示風景:「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」森美術館(東京)2024年
撮影:来田 猛
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