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「カタストロフと美術のちから展」作品紹介#5 ホァン・ハイシン(黃海欣)

2018.11.28(水)

ホァン・ハイシン(黃海欣)(1984年台湾、台北生まれ、ニューヨーク在住)

《赤いカーペットの夢 #3》では結婚式のような状況が描かれますが、会場はがらんとしており、花嫁の顔もよく見えず、どこか現実味がありません。キーボード奏者だけがいる様子は、なんとも不思議です。《サイレント・ナイト》ではツリーが発火していますが、家族はみんな手や腕で顔を隠しています。クリスマスの贈り物を目隠しで待っているようでありながら、現実から目をそらしているようにも見えます。このように、ホァンの絵画には、ありふれた日常を生きる普通の人々の滑稽さが描かれています。往々にして思い描いた理想とはかけ離れたものになってしまう私たちのリアリティを描き出すと同時に、作品に登場する人々の生気のない目は、現代人の抱えるそこはかとない不安を象徴しているようでもあります。

ホァン・ハイシン《赤いカーペットの夢 #3》
ホァン・ハイシン(黃海欣)
《赤いカーペットの夢 #3》
2012年
油彩、キャンバス
51 x 53.5 cm
作家蔵
ホァン・ハイシン《赤いカーペットの夢 #3》
ホァン・ハイシン(黃海欣)
《赤いカーペットの夢 #3》
2012年
油彩、キャンバス
51 x 53.5 cm
作家蔵
ホァン・ハイシン展示風景
ホァン・ハイシン(黃海欣)
展示風景:「カタストロフと美術のちから展」森美術館(東京)2018年
撮影:木奥惠三
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