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「カタストロフと美術のちから展」作品紹介#3 平川恒太《ブラックカラータイマー》

2018.11.14(水)

平川恒太(1987年高知県生まれ、埼玉県在住)
《ブラックカラータイマー》

108 個の電波時計に福島第一原子力発電所事故後に現地で従事した作業員の肖像が、黒い顔料で描かれています。関東に向けた電波の送信所が福島県双葉郡川内村にあることから、作品に電波時計が使用されています。作品タイトルは1960年代の人気テレビ番組「ウルトラシリーズ」でウルトラマンなどの主人公が活動できる時間制限を示すカラータイマーの引用。時計の秒針が108 本同時に奏でる「カチッ、カチッ」という音は、作業員の生の証である心音にも、また制限時間(=死)への秒読みのようにも聞こえます。

平川恒太《ブラックカラータイマー》
平川恒太
《ブラックカラータイマー》
2016-2017
アクリル、ガラスプライマー、油彩、電波時計
展示風景:「カタストロフと美術のちから展」森美術館(東京)2018年
撮影:木奥惠三
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