N・S・ハルシャと巡る"チャーミングな旅"「N・S・ハルシャ展」 #8
2017.5.16(火)
ブログ連載第8回目となる今回は、一筆書きの様な巨大作品《ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ》を取り上げます。
- 《ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ》(部分)
- 2013年
- アクリル、キャンバス、防水布
- 365.8×2407.9 cm
もっとも小さい世界ともっとも大きな世界へ同時に向けられたN・S・ハルシャの関心は、つねに絶妙なバランスを保ちながら作品のなかに活かされています。そこでは、マイスールと世界、急成長する国家の発展と個々の人間の労働など相対する概念、そしてマクロとミクロが融合した視点が通底しています。
本展で最大の作品《ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ》は、全長24メートルを超える大作で、全体を一望すると巨大な筆で書いた一筆書きのように見えますが、細部に目を向けると、そこにはおびただしい数の星が見えはじめるのです。われわれの意識は一瞬にして宇宙空間へ誘われ、その宇宙全体と、そして人が生と死を繰り返す輪廻思想にも思いは至ります。
- 《ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ》
- 2013年
- アクリル、キャンバス、防水布
- 365.8×2407.9 cm
- 展示風景:「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」森美術館、2017年
- 撮影:椎木静寧
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