アージェント・トーク025:
ヤン・ヘギュ―叙事的な離散をまとめていくこと
日英同時通訳付
ヤン・ヘギュは、抽象的な視覚言語を雄弁かつ魅惑的に使った作品で知られています。ヴェネチアン・ブラインドなど工業製品を使った複雑なインスタレーションから、編み物、紙細工、折り紙、マクラメ、織物など手作りの工芸的な彫刻まで、幅広い手法を融合させるヤンの実践では、複雑さは豊かさへ、抽象性は比類なきレベルへと昇華しています。近年では、彫刻の素材に鈴(ベル)を採用することで、音の要素とパフォーマティブな要素の双方が作品に編み込まれ、身体的、社会的、あるいは形而上学的な意味での“運動”という観念に向けられた彼女の関心が明らかになっています。「アージェント・トーク025」は、ヤン・ヘギュの日本における初めてのアーティストトークとなります。彼女自身がその実践や思想を包括的に紹介しつつ、同時並行的に制作される複雑な作品シリーズに通底したアイデンティティ、バイオグラフィ、物語性などの問題へも意識を向けさせます。さらには、異なる素材や身体性を介在させた綿密な制作プロセスや、空間のポリティクスなどについても触れていきます。
- 日時
- 2014年10月17日(金)19:00~20:30(受付開始 18:30)
- 出演
- ヤン・ヘギュ(アーティスト)
- プロフィール
- ヤン・ヘギュ
アーティスト。ヤン・ヘギュは1971年に韓国、ソウル特別市で生まれ、現在はベルリンとソウルを拠点に活躍。第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ韓国館代表(2009年)ほか、「ドクメンタ13」(2012年)、メディアシティ・ソウル(2014年)、台北ビエンナーレ(2014年)など各地の主要国際展に参加。美術館における近年の個展では、ストラスブルグ現代美術館(2013年)、ベルゲン・クンストハル(2013年)、ハウス・デア・クンスト(芸術の家)、ミュンヘン(2012年)などがあり、ニュー・ミュージアム、ニューヨーク、ウォーカー・アート・センター、ブレゲンツ・クンストハウス、オックスフォード近代美術館、アスペン美術館、アノルフィニ、テート・モダン・タンクスなどでもソロ・プロジェクトの実績がある。