オーシャン・ビュー・リゾート

作家名 : ミヤギフトシ/Miyagi Futoshi(1981-)
出身/在住 : 日本
制作年 : 2013
素材:ビデオ、カラ―、サウンド
サイズ:19分25秒

ミヤギフトシは2001年に渡米、留学先のニューヨークにて制作活動を始める。沖縄出身である自身の記憶や経験に向き合いながら、国籍や人種、ジェンダーというアイデンティティについて、映像、写真、インスタレーション、テキストなどの多様な作品形式で取り組んでいる。代表作のひとつに、「沖縄という土地で、沖縄の男性とアメリカ人男性が恋に落ちることは可能か?」ということを主題にしたシリーズ「American Boyfriend」がある。

シリーズ「American Boyfriend」のひとつである《オーシャン・ビュー・リゾート》は、ミヤギ自身の個人的な記憶と沖縄の歴史や政治性を題材とする映像作品。すべて作家自身のモノローグで進む物語は、語り手の「僕」が出身地である沖縄の離島を再訪し、子どもの頃に恋心を抱いていた同性の友人「Y」に再会するところから始まる。彼らがいるビーチにはオーシャン・ビュー・リゾートという寂れた観光客向けのホテルが建っている。「Y」はビーチを歩きながら、終戦直後に起きた日本兵による住民の虐殺事件、そして米軍が上陸した際に繰り広げられたゲリラ戦のことなど、戦争にまつわる出来事について語り始める。映像が進むと、語りは戦時に捕虜として収容された日本兵へと移行し、彼と米兵が、フェンスを介してベートーヴェンの弦楽四重奏を聴いたという親密な経験について語る。その記憶に、祭の後に「僕」が「Y」の自転車の後ろに乗って帰ったある夜の思い出が重ねられる。
本作には、戦前と戦後という2つの時間軸と、それを境にして変わりゆく日本と米国の関係性が描かれている。それらを貫くのは、戦争や両国の政治関係の中では表出することのなかった、しかし存在していたはずの男性間の親密な関係性である。ミヤギは、本作において自身のアイデンティティだけでなく、セクシュアリティの在り方や、沖縄における戦後社会の歪さを考察している。

オーシャン・ビュー・リゾート

作家名 : ミヤギフトシ/Miyagi Futoshi(1981-)
出身/在住 : 日本
制作年 : 2013
素材:ビデオ、カラ―、サウンド
サイズ:19分25秒

ミヤギフトシは2001年に渡米、留学先のニューヨークにて制作活動を始める。沖縄出身である自身の記憶や経験に向き合いながら、国籍や人種、ジェンダーというアイデンティティについて、映像、写真、インスタレーション、テキストなどの多様な作品形式で取り組んでいる。代表作のひとつに、「沖縄という土地で、沖縄の男性とアメリカ人男性が恋に落ちることは可能か?」ということを主題にしたシリーズ「American Boyfriend」がある。

シリーズ「American Boyfriend」のひとつである《オーシャン・ビュー・リゾート》は、ミヤギ自身の個人的な記憶と沖縄の歴史や政治性を題材とする映像作品。すべて作家自身のモノローグで進む物語は、語り手の「僕」が出身地である沖縄の離島を再訪し、子どもの頃に恋心を抱いていた同性の友人「Y」に再会するところから始まる。彼らがいるビーチにはオーシャン・ビュー・リゾートという寂れた観光客向けのホテルが建っている。「Y」はビーチを歩きながら、終戦直後に起きた日本兵による住民の虐殺事件、そして米軍が上陸した際に繰り広げられたゲリラ戦のことなど、戦争にまつわる出来事について語り始める。映像が進むと、語りは戦時に捕虜として収容された日本兵へと移行し、彼と米兵が、フェンスを介してベートーヴェンの弦楽四重奏を聴いたという親密な経験について語る。その記憶に、祭の後に「僕」が「Y」の自転車の後ろに乗って帰ったある夜の思い出が重ねられる。
本作には、戦前と戦後という2つの時間軸と、それを境にして変わりゆく日本と米国の関係性が描かれている。それらを貫くのは、戦争や両国の政治関係の中では表出することのなかった、しかし存在していたはずの男性間の親密な関係性である。ミヤギは、本作において自身のアイデンティティだけでなく、セクシュアリティの在り方や、沖縄における戦後社会の歪さを考察している。

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