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展覧会について、アーティスト・作品紹介


展覧会について

1990年代初頭のデビューから20年、会田誠(1965年新潟県生まれ)は、美少女、日本、アメリカ、歴史、伝統、漫画、戦争、サラリーマン、美術、教育など、明治以降の近代化と戦後の高度経済成長を成し遂げた日本社会や政治経済、そこから生まれた大衆文化や美術を取り巻くシステムなどを、その作品のなかで批評的な視点とともに捉えてきました。そこでは日本社会が集合的かつ無意識に享受、共有してきた常識や節度、慣習などがしばしば覆され、隠蔽されてきたタブーやコンプレックス、本音や矛盾が生々しく開示されています。そのために会田の作品は強烈な不快感と爽快感という両面性を見る者に与え、他の追随を許さない独自の路線を歩んで来たといえます。

会田誠は、同世代のアーティストのなかでも高い評価を維持し、続く世代にも圧倒的な支持を得ながら、美術館での大規模な個展が開催されてこなかった作家です。本展では、その全貌を明らかにします。会田が私たちの眼前に提示する社会的タブー、形骸化した伝統、芸術と大衆文化の共存といった現代日本の文化的特異性に真摯に対峙することが、いま、この国の未来を考える上でまさに求められていると考えます。

アーティスト・作品紹介

会田誠(美術家)

撮影:松蔭浩之
Courtesy: Mizuma Art Gallery

会田誠(美術家)

1965年10月4日新潟県生まれ。1991年東京藝術大学大学院美術研究科修了。ミヅマアートギャラリーでの個展を中心に国内外の展覧会に多数参加。主な展覧会に「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望」(森美術館、2004年)、「第1回シンガポール・ビエンナーレ:BELIEF」(シンガポール、2006年)、『笑い展:現代アートに見る「おかしみ」の事情』(森美術館、2007年)、「Bye Bye Kitty!!! - Between Heaven and Hell in Contemporary Japanese Art」(Japan Society、ニューヨーク、2011年)。

紐育空爆之図

紐 育 空 爆 之 図にゅうようくくうばくのず(戦争画RETURNS)》
1996年
襖、蝶番、日本経済新聞、ホログラムペーパーにプリント・アウトしたCGを白黒コピー、チャコールペン、水彩絵具、 アクリル絵具、油性マーカー、事務用修正ホワイト、鉛筆、その他(六曲一隻屏風)
169×378cm
高橋コレクション蔵、東京
Courtesy: Mizuma Art Gallery

切腹女子高生

《切腹女子高生》
2002年
透明フィルムに出力、ホログラムフィルム、アクリル絵具
119x84.7cm
渡井康之氏蔵
Courtesy: Mizuma Art Gallery

ジューサーミキサー

《ジューサーミキサー》
2001年
キャンバス、アクリル絵具
290×210.5cm
高橋コレクション蔵、東京
Courtesy: Mizuma Art Gallery

会田誠ドキュメンタリー映画「駄作の中にだけ俺がいる」トレイラー

公式サイト
http://aida-artmovie.com/aidamakoto.html

イベント情報

会田 誠  

会田 誠
撮影:松蔭浩之
Courtesy: Mizuma Art Gallery

「会田誠展」プレイベント『会田誠の世界』

「会田誠展」のプレイベントとして、奇才にして異端と呼ばれる会田が発信しているメッセージを、3部構成で読み解く「六本木アートカレッジ・セミナー『会田誠の世界』」を開催します。

第1部は、会田誠と本展キュレーターの片岡真実による対談。
会田作品の背景に流れるストーリーと展覧会の魅力についてお話します。

第2部では、『REAL TOKYO』編集長の小崎哲哉氏をコーディネーターに迎え、会田の作品に衝撃を受けたゲスト3名の"会田誠論"を引き出し、会田誠の世界観について会田誠ファンの視点から紐解きます。
ゲストには、2011年に現役の大学院生でありながら『きことわ』で第144回芥川賞を受賞した朝吹真理子、物理とコンピューターの力を駆使し、宇宙の謎を解明する天文学者の小久保英一郎、漫画家・コラムニストなどとして幅広く活躍中の辛酸なめ子の各氏をお迎えします。

第3部では、「会田誠展」開催に際し、会田誠の芸術に賛同し、サポートしてくださる個人の方々を広く募るプロジェクト「会田誠:平成勧進プロジェクト」の概要を紹介します。アーティストや美術館に一歩踏み込んだ、アクティブなオーディエンスとしての関係づくりを期待します。

日時: 2012年4月22日(日)15:00~17:30
受講料: 無料
※「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」のチケット付き
定員: 500名 ※定員になり次第締め切らせていただきます
会場: アカデミーヒルズ(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)
お申し込み: 終了いたしました

※ UStream によるライヴ中継を実施予定:

森美術館Ustreamチャンネル(日本語)
http://www.ustream.tv/channel/moriartmuseum

森美術館Ustreamチャンネル(英語)
http://www.ustream.tv/channel/mori-art-museum-english


朝吹真理子
ゲストスピーカー
朝吹真理子 (小説家)

1984年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了(近代歌舞伎専攻)。大学院在学中、文芸誌『新潮』編集長に勧められて小説を書き始める。2009年、処女作の「流跡」を『新潮』に発表し、小説家デビュー。同作で10年、第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を史上最年少で受賞する。11年、3作目となる「きことわ」で第144回芥川賞を受賞。

小久保英一郎
ゲストスピーカー
小久保英一郎 (理論天文学者/国立天文台理論研究部教授)

国立天文台理論研究部教授。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻兼任。 1968年宮城県仙台市生まれ。 1997年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。博士(学術)。専門は惑星系形成論。理論とシミュレーションを駆使して惑星系形成の素過程を明らかにし、多様な惑星系の起源を描き出すことを目指す。趣味はスクーバダイビング。 1つの研究がまとまったら南の島に潜りに行く、という生活をしたいと思っている。水が遠いときは沖縄の唄を聞いて南の風を思い出す。最近また文化財(特に古代遺跡・寺社・祭)探訪にはまっている。全日本潜水連盟インストラクター。

辛酸なめこ
ゲストスピーカー
辛酸なめ子 (漫画家/コラムニスト)

雑誌やテレビ、webなどで活動中の漫画家、コラムニスト。アイドル観察からスピリチュアルまで幅広く執筆。武蔵野美術大学短期大学部グラフィックデザイン専攻卒業。近著に「サバイバル女道」「辛酸なめ子の現代社会学」「厄除開運人生」など。

小崎哲哉
コーディネーター
小崎哲哉 (『REAL TOKYO』『REAL KYOTO』発行人兼編集長/京都造形芸術大学比較藝術学研究センター客員研究員)

1955年東京生まれ。カルチャーウェブマガジン『REAL TOKYO』及び『REAL KYOTO』発行人兼編集長。京都造形芸術大学比較藝術学研究センター客員研究員。89年、新潮社で文化情報誌『03 TOKYO Calling』の創刊に副編集長として携わり、同社退社後はCD-ROMブック『マルチメディア歌舞伎』、写真集『百年の愚行』などを企画編集。インターネットエキスポ日本テーマ館『Sensorium』、愛知万博テーマ普及誌『くくのち』、ウェブマガジン『先見日記』のエディトリアルディレクター、現代アート雑誌『ART iT』創刊編集長などを歴任した。あいちトリエンナーレ2013舞台芸術統括プロデューサーも務める。

片岡真実

Photo: Jennifer Yin

プログラム企画・モデレーター
片岡真実 (森美術館チーフ・キュレーター)

民間シンクタンクで文化政策・都市開発と芸術文化プロジェクトに関する調査研究を行った後、1997年から東京オペラシティアートギャラリーにてチーフ・キュレーター。2003年より森美術館。2007年から2年間、ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)でインターナショナル・キュレーター兼務。2012年にはサンフランシスコ、アジア美術館でゲスト・キュレーション、第9回光州ビエンナーレの共同アーティスティック・ディレクター。

「会田誠展」プレイベント『会田誠の世界』映像

第1部:対談 会田誠×片岡真実 (38分40秒)

第2部:ゲスト3名による”会田誠論” (1時間28分10秒)

第3部:「会田誠:平成勧進プロジェクト」について (11分45秒)