本連載では、森美術館「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」に出展中の作品の一部を全9回にわたり紹介していきます。それではハルシャの代表作のひとつであり、モチーフの「反復」を描く契機となった作品から“チャーミングな旅”をはじめましょう。
《私たちは来て、私たちは食べ、私たちは眠る》(部分)
1999-2001年
合成樹脂絵具、キャンバス
172.1×289.3 cm、169.7×288.5 cm、172.2×289.2 cm
所蔵:クイーンズランド・アートギャラリー、ブリズベン
《私たちは来て、私たちは食べ、私たちは眠る》は、人びとのさまざまな行動が多数併置されて描かれる契機となった作品です。出産から死までの人生の多様な段階が、移動する、食べる、眠るといった日常的な行為とともに描かれています。伝統的なインドの彫刻に見られる「反復」を参照していますが、描かれている人びとはひとりとして同じではありません。3点組み中央の「私たちは食べ」の部分をまず2年かけて描いたといいます。
展示風景:「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」森美術館、2017年
撮影:椎木静寧
<関連リンク>
・N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅
会期:2017年2月4日(土)-2017年6月11日(日)
・N・S・ハルシャと巡る“チャーミングな旅”作品紹介
(1)《私たちは来て、私たちは食べ、私たちは眠る》
(2)「チャーミングな国家」シリーズ
(3)《ここに演説をしに来て》
(4)《空を見つめる人びと》
(5)《ネイションズ(国家)》
(6)《レフトオーバーズ(残りもの)》
(7)《未来》
(8)《ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ》
(9)《マタ―》