現在、森美術館で開催中の「六本木クロッシング2016展」。アーティスト&作品紹介ブログ連載第2回では、片山真理をご紹介します。
自分は何者だろう。それは、生まれつき歩行が困難で、9歳で両足を切断し、義足の生活を続けてきた片山真理にとっては常に切実な問題でした。
片山が作品に義足や手製の人形を繰り返し登場させるのは、捉えどころのない自身の身体を採寸し、解体し、つなぎあわせることによって、客観的に把握しようとする行為に見えます。また、部屋という安全地帯にあふれるモノたちは、彼女を防御する武器のようにも感じられるのです。長く続けてきた手仕事的な制作に加え、東京藝術大学先端芸術表現科の修士課程で写真を学んだことが、片山の表現を飛躍的に発展させました。
時に自らをさらけ出し、時に殻に身を包む片山の姿を通して、「私」とは誰かという、決して自明でない問いについて考えさせられるのです。
《you’re mine #001》
2014年
ラムダプリント
104.8 × 162 cm
個人蔵
Courtesy: TRAUMARIS, Tokyo
展示風景:「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」森美術館、2016年
撮影:永禮 賢
<関連リンク>
・六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声
会期:2016年3月26日(土)-7月10日(日)
・「六本木クロッシング2016展」~アーティスト&作品紹介
(1)毛利悠子
(2)片山真理
(3)石川竜一
(4)後藤靖香
(5)志村信裕
(6)小林エリカ
(7)ジュン・ヤン
(8)長谷川愛