2014年11月20日(木)

セクション2:歩く、食べる、眠る―日々の営みを再考する
「リー・ミンウェイとその関係展」作品紹介(2)

観客参加型のアートプロジェクトを展開し、国際的に活躍するリー・ミンウェイによる展覧会「リー・ミンウェイとその関係展」の出品作品を紹介する連載第2回。今回はセクション2に展示している3つの作品について解説します。

Section 2 歩く、食べる、眠る―日々の営みを再考する

本セクションでは、あらゆるものは変わり続ける、ゆえに「いま、ここ」を重視する仏教的な考え方を起点に、「歩く」、「食べる」、「眠る」など、平凡な毎日の営みをあらためて考えます。


《プロジェクト・ともに食す》
1997年
展示風景:台北現代美術館、2007年
所蔵:JUT美術館準備室、台北
撮影:Lee Studio

アーティスト本人、またはホストが見知らぬ人を一対一の食事に招き、対話をするなかで関係性を築く。展覧会の観客は、その記録の一部を映像で共有します。


《プロジェクト・ともに眠る》
2000年
展示風景:第50回ヴェネチア・ビエンナーレ、2003年
撮影:Gary Lee

見知らぬ人と二人きりで一夜を美術館でともに過ごすという親密な時間と空間のなかで、関係性や信頼といった概念について考えるプロジェクトです。


《ソニック・ブロッサム》
2013年
パフォーマンス風景:ユーレンス現代美術センター(UCCA)、北京、2014年
撮影:Mao Zhenyu

リー・ミンウェイが母親を看病した際、シューベルトの歌曲によって、気持ちが元気づけられたことに着想を得て発案された作品。展覧会の来場者から選ばれた一人だけに、歌曲が贈り物として届けられます。
 

<関連リンク>

・「リー・ミンウェイとその関係展」作品紹介
(1)関係性、つながり、あいだについて考える
(2)歩く、食べる、眠る―日々の営みを再考する
(3)パーソナルな記憶から歴史、文化、社会のつながりを考える
(4)「参照作品」を読み解く:白隠/今北洪川/鈴木大拙
(5)「参照作品」を読み解く:久松真一/イヴ・クライン/ジョン・ケージ
(6)「参照作品」を読み解く:李禹煥/アラン・カプロー/リクリット・ティラヴァニ
(7)「参照作品」を読み解く:小沢 剛/田中功起

・スペシャル対談:リー・ミンウェイ×片岡真実
(1)“参加するアート”とは?
(2)「ギフト」を贈ることもアートになる
(3)観客が参加することで、さらに豊かになるアート

「リー・ミンウェイとその関係展:
参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」

会期:2014年9月20日(土)-2015年1月4日(日)

「MAMプロジェクト022:ヤコブ・キルケゴール」
会期:2014年9月20日(土)-2015年1月4日(日)

カテゴリー:01.MAMオピニオン
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