「六本木クロッシング2016展」アーティスト&作品紹介ブログ連載の第3回では、2014年度木村伊兵衛賞を受賞した注目のアーティスト、石川竜一の作品について解説します。
石川竜一は、およそ3000人にものぼる沖縄の人のポートレイトから選んでまとめた『okinawan portraits 2010-2012』と、沖縄の人物と風景を収めた『絶景のポリフォニー』の写真集で注目を浴び、2014年度木村伊兵衛賞を受賞しています。
本展では「okinawan portraits」シリーズから、顔をアップで捉えた未発表の写真を展示しています。人物の服装や背景を含むこれまでの作品とは異なり、一人ひとりの顔の造作や表情、メガネやメイクなどの顔を彩る部分がより強調され、鮮烈な印象を与えます。
積み上げられたブラウン管モニターには、同シリーズの画像がスライドショーで映し出されます。「僕らは、いつもどこかですれちがい、記憶の奥で埋もれてしまうほどの小さな残像となっていく」(『okinawan portraits 2010-2012』)と語る石川の、人々との一瞬の邂逅(かいこう)が、複数のモニターと不規則に再生される画像によって体感されるのです。
《OP.001208 2011 Ginowan》(「okinawan portraits 2010-2012」シリーズより)
2016年
デジタルプリント
110.8 × 110.8 cm
展示風景:「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」森美術館、2016年
撮影:永禮 賢
<関連リンク>
・六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声
会期:2016年3月26日(土)-7月10日(日)
・「六本木クロッシング2016展」~アーティスト&作品紹介
(1)毛利悠子
(2)片山真理
(3)石川竜一
(4)後藤靖香
(5)志村信裕
(6)小林エリカ
(7)ジュン・ヤン
(8)長谷川愛