本展では村上隆の大型彫刻作品が展示されています。ブログ連載第5回で取り上げるのは《宇宙の産声》です。
村上 隆 《宇宙の産声》
2005年—
金箔、FRP
451.3 × 268 × 302.8 cm
Courtesy: Gagosian Gallery, New York
©2005-2015 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
《宇宙の産声》
彫刻作品《宇宙の産声》は、2005年六本木ヒルズの毛利庭園に展示された《とんがりくん(二重螺旋逆転)》やロサンゼルス現代美術館で公開の《大仏オーヴァル》に続く、革新的な彫刻を追求する最新形です。
発展を追求しつづける近現代の社会構造が自らの重みで潰れていく、という現実を表現したという本作は、モンスターのようでもあり、また金色に輝く体は荘厳さも湛えています。354個の目、105本の髭、1200本以上もの歯を持った巨体が身もだえするような姿は、彫刻における「瓦解する形状」の系譜を意識しています。崩れ行くこの世をテーマに、作家の揺らぐ心情をそのまま表し、10年以上の歳月をかけてもまだ完成に至らない、という終わりのない大作彫刻です。
展示風景:「村上隆の五百羅漢図展」 森美術館、2015年
撮影:高山幸三
© Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
<関連リンク>
・「村上隆の五百羅漢図展」
会期:2015年10月31日(土)-2016年3月6日(日)
・「村上隆の五百羅漢図展」見どころ紹介!
・「村上隆の五百羅漢図展」作品紹介
(1)《五百羅漢図》——「青竜」「白虎」
(2)《五百羅漢図》——「玄武」「朱雀」
(3)《五百羅漢図》ができるまで
(4)最新絵画シリーズ
(5)《宇宙の産声》
(6)DOB君、たんたん坊、ゲロタン
(7)[番外編]村上羅漢ロボ