2014年7月17日(木)

子どもたちが作品解説作りに挑戦!
7/18から公開「子どもキャプション・プロジェクト」

子どもたちは、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」をどのように見るのでしょうか。
特別企画「子どもキャプション・プロジェクト」は、子どもたちが作品を見て、みんなと話して、自分の言葉で説明するという美術体験を行うと同時に、子どもたちの言葉によるキャプション(作品解説)を作り、大人たちにも子どもの視点を通して本展を鑑賞していただこうという試みです。
幾度かにわたる鑑賞ワークショップを通して、合計約240人の小学生と幼児のグループがさまざまな感想を言葉にしてくれました。そこから選んで編集したものを、「子どもキャプション」として展覧会の会場内に掲出します。
今回、2014年6月14日(土)に開催した「子どもキャプション・ワークショップ」の様子をご紹介します。

この日は、小学生1年生から6年生の約30名の子どもたちが参加してくれました。
みんなが集合した場所は、絵本や児童書を自由に読むことができるスペース「えほんのとしょかん」。
そこで、自己紹介、年齢別のグループ分けとファシリテーターの紹介が行われました。

まずは、『星の王子様』に登場する、帽子のシルエットにも、動物を飲み込もうとしている大きなヘビの姿にも見える挿絵を見て、思ったこと、想像したことを言葉にしてもらいます。

だんだんとみんなの緊張もほぐれてきたところで、今度は各グループに分かれて、絵本の挿絵を自分の言葉だけでグループのファシリテーターに伝えるゲームを行いました。
ファシリテーターは、言葉の情報だけで絵を描き、実際の挿絵と描いた絵を比べてみます。遊びを通して、見たものを言葉で伝える練習をした後、実際に作品を見にいきます。

低学年のチームは、直感で感じた言葉をすぐに書き留めています。
その印象を取りこぼしがないようにファシリテーターも一緒に言葉を拾います。子どもたちの言葉はとても新鮮かつ自由で、断片的な言葉であっても、いろいろな発見を感じさせてくれます。

高学年チームは、作品を構成する要素や、作品に隠された背景などを、考えて言葉にしているようです。

共感したり新たに感じたことを伝えたり、ほかの子どもたちの言葉から連想したりと、たくさんの言葉が飛び交います。

「えほんのとしょかん」に戻って発表準備。感じたことや、空想のストーリーなどをさらに掘り下げていきます。

自分の言葉や絵で表現していきます。

いよいよ発表!
グループごとに、物語ふうにしたり、作品に登場するひとの気持ちになって話をしたりと、緊張しながらもがんばりました。

3時間の長いワークショップでしたが、集中力が欠けることなく、みんな頑張ってくれました。

子どもたちのキャプションは、7月18日から展覧会の会場内に掲出されます。
ぜひ会場に足を運んで、すばらしい子どもたちのキャプションを――"こどもたちのこえ"をご覧ください。

文:横山佳世子(森美術館パブリックプログラム コーディネーター)
撮影:御厨慎一郎

・特別企画1「子どもキャプション・プロジェクト」の詳細はこちら

・本記事以外のワークショップの写真も、fllickrで公開しています。こちらもご覧ください!
 

<関連リンク>

「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」
会期:2014年5月31日(土)-8月31日(日)

「MAMプロジェクト021:メルヴィン・モティ」
会期:2014年5月31日(土)-8月31日(日)

次世代の子どもたちに、私たち大人ができることとは?
「ゴー・ビトゥイーンズ展」トークシリーズ 第1回「子どもと社会」 レポート

カテゴリー:03.活動レポート
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