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2024年度展覧会スケジュール・続報!「マシン・ラブ」展と海外共同企画展の開催決定

2024.3.6(水)

森美術館は2024年度、「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」(会期:2024年4月24日[水]~9月1日[日])、「ルイーズ・ブルジョワ展」(会期:2024年9月25日[水]~2025年1月19日[日])に続く企画展として、近年の新しいテクノロジーと現代アートの関係に注目する「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」を開催することを決定いたしました。

また、パリ五輪の時期とも重なる夏から秋にかけては、ノルマンディーの芸術祭「Normandie Impressionniste 2024」の一環として開催される「浮世:ジャポニスムから日本の現代アートまで」を、会場となるレ・フランシスケーヌと共同で企画、開催いたします。

マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート

会期:2025年2月13日(木)~6月8日(日)
主催:森美術館
企画:片岡真実(森美術館館長)、マーティン・ゲルマン(森美術館アジャンクト・キュレーター)、矢作 学(森美術館アシスタント・キュレーター)
アドバイザー:畠中 実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、谷口暁彦(メディア・アーティスト)

佐藤瞭太郎《ダミー・ライフ #11》
佐藤瞭太郎
《ダミー・ライフ #11》
2022年
インクジェットプリント
12.4×14.8 cm

仮想空間と現実世界が接続し、人工知能(AI)が飛躍的に発展するなか、新しいテクノロジーは私たちの日常生活に急速に浸透し、とりわけコロナ禍は仮想空間における活動を加速させました。また、顧みればテクノロジーとアートは、コンピューター・アート、ビデオ・アートなどの歴史のなかで常に併走してきました。近年のビデオゲームやAIの発展がアーティストの創造活動に全く新しい可能性をもたらす一方で、生成AIの登場は、人類の創造力にとっての脅威ともなっています。こうした動向は、現代アートの文脈においても大きく注目されています。

「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展では、ゲームエンジン、AI、VR、AR(※1)などのテクノロジー、さらにはアルゴリズムや生成AIなど人間の創造性を拡張するようなテクノロジーを採用した現代アートを紹介します。そこではデジタル空間上のさまざまなデータが素材となった新しい美学やイメージメイキング(図像や画像を作ること)の手法、不特定多数の他者とともにインタラクティブに創造された作品、アバターやキャラクターなどジェンダーや人種という現実社会におけるアイデンティティからの解放、といった特性が見られます。ただ、これら新しい方法を採用しながら、アーティストの表現の根幹では現代世界が抱える環境問題、歴史解釈、ヒューマニティ(人間らしさ)、倫理、多様性といったグローバルな課題が掘り下げられています。

本展は、「マシン」(※2)とアーティストが協働する作品や没入型の空間体験などを通し、「ラブ(愛情)」、共感、高揚感、恐れ、不安など私たちの感情を揺さぶる、人類とテクノロジーの関係を考えるプラットフォームとなります。現実と仮想空間が重なり合う空間で、不確実な未来をより良く生きる方法をともに想像してみましょう。

※1 VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)
※2 ここで言う「マシン」は従来の重工業的な「機械」のイメージではなく、コンピュータおよびハードウェアの総称としての「マシン」を主に意味する。20世紀初頭には機械のスピード感やダイナミズムが象徴する新たな時代を「マシン・エイジ」と呼び、多様な芸術分野で支持された。本展では21世紀に広く浸透したコンピュータやインターネットに深く関わる新しい「マシン」時代のアートに注目する。なお、「ゲームエンジン」はハードウェアではなく、コンピュータゲーム制作に必要な機能をまとめたソフトウェアをさす。

出展予定作家
キム・アヨン、ルー・ヤン(陸揚)、佐藤瞭太郎、ヤコブ・クスク・ステンセン、アドリアン・ビシャル・ロハス、ほか

ルー・ヤン(陸揚)《独生独死—自我》
ルー・ヤン(陸揚)
《独生独死—自我》
2022年
ビデオ
36分
音楽:liiii
キム・アヨン《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》
キム・アヨン
《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》
2022年
ビデオ
25分
ルー・ヤン(陸揚)《独生独死—自我》
ルー・ヤン(陸揚)
《独生独死—自我》
2022年
ビデオ
36分
音楽:liiii
キム・アヨン《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》
キム・アヨン
《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》
2022年
ビデオ
25分
  

[海外での共同企画展]

浮世:ジャポニスムから日本の現代アートまで

会期:2024年6月22日(土)~9月22日(日)
会場:レ・フランシスケーヌ(フランス、ノルマンディー、ドーヴィル)
主催:レ・フランシスケーヌ、森美術館
企画:アニー・マデ=ヴァシュ(レ・フランシスケーヌ美術館館長)、マーティン・ゲルマン(森美術館アジャンクト・キュレーター)

森村泰昌《モデルヌ・オランピア2018》
森村泰昌
《モデルヌ・オランピア2018》
2017-2018年
Cプリント、透明メディウム
210×300 cm
所蔵:森美術館(東京)
展示撮影:武藤滋生

2024年は初の「印象派展」がパリで開催されてから150年目の年となります。ノルマンディーで2010年から開催されてきた芸術祭「Normandie Impressionniste 2024」では、この記念すべき年に、120を超える展覧会およびパフォーミング・アーツ・プログラムを実施します。その一環として、印象派の発展と深い関係にある日本文化に過去と現代の双方から光を当てるため、ノルマンディー地方ドーヴィルの文化施設レ・フランシスケーヌと森美術館の共催で「浮世:ジャポニスムから日本の現代アートまで」展を開催します。

本展では、日本の現代アート作品として、森美術館コレクションからは17作家34点が出品され、当館のコレクションを海外でまとまったかたちで展示する初めての機会となります。またフランスからは印象派および同時代の絵画、日本の浮世絵などをオルセー美術館、フランス国立図書館、ギメ美術館などから借用し、日本の現代アート作品との時間や空間を超えた対話の場を創出します。展覧会は、「異なる文化に向けられた視点の交換」、「海岸線と空虚の概念」、「都市の景観と都会性」、「19世紀と21世紀のポートレイト」、「自然とスピリチュアリティ」といったいくつかの視点を巡りながら、歴史的な連続性や共鳴の瞬間と、今日の現代アートがもたらす革新的な体験が交互に繰り返されるよう構成されています。

森美術館コレクション 出品作家
石田尚志、梅津庸一、榎本耕一、風間サチコ、片山真理、下道基行、瀬戸桃子、篠田太郎、立石大河亞、畠山直哉、春木麻衣子、冨谷悦子、ミヤギフトシ、森村泰昌、山口 晃、米田知子、李禹煥

フランスからの出品
浮世絵:葛飾北斎、歌川広重、ほか
19-20世紀の画家:フェリックス・ヴァロットン、ジャン=フランシス・オービュルタン、アンリ=エドモン・クロス、ポール・シニャック、アルフレッド・ステヴァンス、ポール・セリュジエ、ラウル・デュフィ、モーリス・ドニ、ウジェーヌ・ブーダン、ピエール・ボナール、アルベール・マルケ、ポール・ランソン、ピエール=オーギュスト・ルノワール、フェリックス・レガメ、オーギュスト・ロダン、ほか

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