トーク「シアスター・ゲイツの『アフロ民藝』が促す『工芸』による脱植民とトランスナショナリズム」
*申し込み終了
「シアスター・ゲイツ展」関連プログラム
日英同時通訳付、手話同時通訳付
本プログラムでは、ライフワークとして工芸・民藝を研究する菊池裕子氏を招き、シアスター・ゲイツが実践する「アフロ民藝」を、グローバルなアートの文脈や美術・工芸史の視点から批評的に読み解きます。
ともすれば唐突な印象を与えるシアスター・ゲイツの「アフロ民藝」という概念と実践について現代社会においてどのような意義をもつのか、そして視覚文化史の批評の潮流の中でどのように発展してきた問題意識と実践であるのかについて俯瞰する。「工芸」という近代の領域へ懐疑をもつ意識は日本でも浸透しつつあるが、そのグローバルな脱近代・脱植民の課題との直接的な関係性はとらえられていない傾向にある。昨今のヴェネチアビエンナーレ、ドキュメンタ等での「工芸」への注目とも関連させながら、ゲイツがはたらきかける「工芸」の戦略について論じる。また、「アフロ民藝」を日本ではどう受け止めるべきなのかについても言及する。「民芸」という概念をつくった民芸運動について自画自賛する機会ではなく、戦後80年になろうとする日本において未だ遅々として進まず忘却の淵へおいやられていく脱植民の問題とブラックの問題をどのように重ね合わせていけるかを民芸研究者としての自身のライフワークからトランスナショナルな民芸運動研究の様相と実践の意義についても語る。
菊池裕子
- 出演
- 菊池裕子(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館学術プログラム部門部長)
- 聞き手
- 片岡真実(森美術館館長)
- 日時
- 2024年8月2日(金)18:30~20:00(開場 18:15)
※日英同時通訳、手話同時通訳をご希望の方は、イベント名を明記のうえ、2024年7月19日(金)までに へご連絡ください。
菊池裕子(きくち・ゆうこ)
ロンドン芸術大学(UAL)のトランスナショナルアート研究所(TrAIN)で長年教鞭をとり、金沢美術工芸大学を経て、2023年の秋より現職、英国王立美術大学(RCA)デザイン史コースの教授職兼任。ポストコロニアルの視点から「工芸」を視覚文化批評の対象として研究している。主な著書には「Mingei Theory andJapanese Modernisation: Cultural Nationalism and “Oriental Orientalism”」(2004年、ハングル語版 2022年)、「Refracted Modernity: Visual Culture and Identity in Colonial Taiwan」(2007年)、「Transnationalism for Design History: knowledge production and decolonization through East Asiandesign history’in Massey, A. ed., A Companion to Contemporary Design since 1945」(2019年)、Negotiating Histories: Traditions in Modern and Contemporary Asia-Pacific Art,” World Art, 5-1(2015年)等。日本での近刊では「『工芸』から『この国』の『日本美術史』を脱帝国主義化する:ジェンダー・伝統・サステナビリティ」、小田原のどか・山本浩貴編『この国の芸術:「日本美術史」を脱帝国主義化する』東京:月曜社(2023年)やブラックアート論考(https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/black-art-02-202305)等がある。
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