アージェント・トーク010:
デジタル・メディアを活用した新規観客層の開拓
―テートの取り組み
日英同時通訳付
変革を続けますます多様化していくこの社会において、美術館としての課題、そして取り組みもさまざまです。英国を代表するアート機関のひとつ、テートでは今の時代を反映するかのように、FacebookやTwitterなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、デジタル・メディアなどを活用しながら、新たな観客層へのリーチに積極的に取り組み続けています。
「アージェント・トーク010」では、テートのオンライン・ブランディング、広報、マーケティング、メンバーシップ、そしてチケットセールス部門を率い、ヨーロッパで最大級の規模を誇るアート誌TATE ETC.やオンライン・チャンネルTateShotsなども統括しているマーク・サンズ氏を迎え、テートが意識的に挑戦していること、これまでの、そして今後の課題などについて伺います。あわせて、ソーシャル・ゲームなど観客参加型の手法を用い「遊び(Play)」の体験を生み出す英国のクリエイティブ集団「ハイド&シーク(「かくれんぼ」の意)」を主宰するアレックス・フリートウッド氏も登場。テートをはじめとする美術館や劇場と協働で観客参加型プロジェクトを展開したり、新しい観客層に働きかけるようなモバイルアプリを開発するなど、次世代的で異分野を横断する「ハイド&シーク」の取り組みは、アート界のみならず幅広く注目を集めています。この機会に、英国のアート機関による取り組みを紹介しつつ、日本のアート機関における新たな観客層開拓の可能性について考察していきます。
- 日時
- 2012年2月11日(土・祝)14:00~15:30(受付開始 13:30)
- 出演
- マーク・サンズ(テート オーディエンス・アンド・メディア・ディレクター)、アレックス・フリートウッド(ハイド&シーク ファウンダー・ディレクター)
- 司会
- 片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
- 主催
- 森美術館、ブリティッシュ・カウンシル
- プロフィール
- マーク・サンズ(テート オーディエンス・アンド・メディア・ディレクター)
「ガーディアン・ニュース&メディア」にてガーディアン紙およびオブザーバー紙、それぞれのウェブサイトのマーケティング・ディレクターを10年間(2000-2010年)務めた後、2010年5月より現職。それ以前には、英国の放送局であるLWT/グラナダにマーケティング・ディレクターとして従事するほか、世界初の地上波デジタル放送を開始した英国のBDB社(後にグラナダとカールトン合弁のONDigital社)の創設にも関与。ニューヨーク、ロンドンの広告業界で8年以上の経験を培う。ケンブリッジ大学卒業後、同大学にて経営修士号取得。Tate: www.tate.org.uk, TateShots: http://channel.tate.org.uk,TATE ETC.: www.tate.org.uk/tateetc - アレックス・フリートウッド(ハイド&シーク ファウンダー・ディレクター)
ブリティシュ・カウンシルが主催するヤング・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー受賞者。2007年にハイド&シークを創設、これまでの全プロジェクトを統括。ハイド&シークはソーシャル・ゲームなどの手法を用い、「遊び(Play)」の体験を生み出す集団。2007年、英国で初めて公共の場を舞台に観客参加型のゲームを紹介するハイド・アンド・シーク・フェスティバルを旗揚げ(現在では「ハイド&シーク・ウィークエンダー」と呼ばれ、毎夏ロンドンのサウス・バンクにて開催)。アーティストやゲーム・デザイナー、参加者が集い新しいアイディアを共有し、ゲームを体験できるようなソーシャル・ハブ・イベント「サンドピット」も定期的に実施しており、テートやサウス・バンク・センター、ナショナル・シアターなど英国を代表する美術館や劇場が、こぞって彼らのイベントを誘致。第一線のデザイナーやアーティスト、メディアや様々な企業とのコラボレーションも数多く手がけ、その画期的な取り組みはアート界のみならず幅広く注目を集めている。http://www.hideandseek.net/