アージェント・トーク029:
組織としてのアート―ザ・ショウルーム(英国)の取り組み
日英同時通訳付
ザ・ショウルームは1983年の設立以来、地域に根差したさまざまな活動を展開しているロンドンのアートスペースです。そのプログラムにおいてはこれまで、アーティストによる協働的で生産的な過程を経て発展するプロジェクトへのコミッション、そして情報や知識をいかにして異なる層の観客と生み出し、共有することができるかという問いの2点にフォーカスしてきました。さらに、多くの課題、コンセプト、テーマへの長期的な関わり、地元の住民やグループ、関心を持つコミュニティとの関係性、相互交換の在り方を育成しています。 本トークでは、ザ・ショウルームのディレクターであるエミリー・ぺシックが、アーティスト田中功起を聞き手に、2016年に開催した田中の展覧会、2015年シムレンガ、ウェンデリン・ヴァン・オルデンバーグの展覧会、および「コミューナル・ナレッジ(共有された知識)・プロジェクト」など、近年の活動について紹介します。また、企画への総合的なアプローチを通じて、ザ・ショウルームが組織としてどのような位置付けを確立してきたのかについても、議論を広げていきます。
- 日時
- 2016年9月6日(火)19:00~20:30(受付開始 18:30)
- 出演
- エミリー・ぺシック(ザ・ショウルーム、ディレクター)
- 聞き手
- 田中功起(アーティスト)
- プロフィール
- エミリー・ペシック
ロンドンのアートスペース、ザ・ショウルーム、ディレクター。2005年から2008年まではユトレヒトのCasco、オフィス・フォー・アート・デザイン・アンド・セオリーのディレクターを務めた。Artforum、Frieze、AfterallやThe Exhibitionist等の雑誌への寄稿、「Circular Facts」(2011年、Mai Abu EIDahab、Binna Choiとの共著)、「Cluster: Dialectionary」(2014年、Binna Choi、Maria Lind、Natasa Petresin-Bachelezとの共著)など書籍の執筆も行う。また、ザ・ショウルームにおいて、コモン・プラクティス(Common Practice)およびクラスター(Cluster)という組織的ネットワークを協働設立した。現在はアムステルダム市立美術館にて、新たな現代美術の場についてのリサーチ・チームに関わっている。
ザ・ショウルーム:http://www.theshowroom.org/ - 田中功起
1975年生まれ。現在、京都を拠点に活動するアーティスト。主な著書に、『Precarious Practice』(Hatje Cantz、2015年)、『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局、2014年)、『質問する その1(2009-2013)』(ART iT、2013年)『Abstract Speaking - Sharing Uncertainty and Collective Acts』(NERO Magazine、国際交流基金、2013年)、『共にいることの可能性、その試み、その記録―田中功起による、水戸芸術館での、ケーススタディとして』(グラムブックス)等がある。