カラビン・フィルム・コレクティブ(2012年に設立)は、オーストラリアのノーザンテリトリーに定住する、先住民族出身の30名超のメンバーから成る映像制作グループです。グループ名を冠する「カラビン」は、現地の先住民族言語であるエミヤンガル語で「干潮」を意味し、潮が引くことで露出される広大な陸地の連なりと、そこで生活を営む共同体の姿を想像させるものです。
入植者による植民地支配、社会的不平等、気候変動による自然環境破壊の下で厳しい生活を送る先住民コミュニティーの姿を、ドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜながら映し出してきました。同時に、幻覚的な視覚効果を用いながら「ドリームタイム」という万物の起源を説くアボリジニの信仰と世界観を表現します。その作品群は、聖地に宿る精霊の存在を語りながら、大地を侵食する政治的搾取と環境問題の影響を明らかにするものです。彼らは、主体的に自らの物語を語る力を取り戻し、その大地を守るための資金を集め、若い世代に先祖伝来の遺産を継承するために、協働で映像をつくり続けています。本展では、初期作品から最新作までを紹介することで、カラビン・フィルム・コレクティブの活動の軌跡を追います。
上映作品
1. 《犬が話したとき》 2014年 33分56秒
2. 《人魚、あるいは不思議の国のエイデン》 2018年 26分29秒
3. 《先祖との夜釣り》 2023年 24分38秒
当プログラムは全体約90分で、下記の時間より上映を開始いたします。
10:00、11:30、13:00、14:30、16:00、17:30、19:00、20:30
(祝日を除く火曜日は17:00閉館です。最終上映回は16:00です。)
「MAMスクリーン018」の上映について
企画展・プログラム等実施のため、以下の日時は「MAMスクリーン018」をご覧いただけません。あらかじめご了承ください。
※日時が追加される場合もあります。ご留意ください。
タイムスケジュール
・2月17日(土)10:00~17:30
・2月20日(火)11:30~16:00
・2月22日(木)16:00~22:00
・2月29日(木)16:00~22:00
・3月2日(土)10:00~17:30
・3月16日(土)10:00~17:30
・3月17日(日)10:00~19:00
・3月19日(火)16:00~22:00
・3月20日(水・祝)10:00~13:00
カラビン・フィルム・コレクティブ
カラビン・フィルム・コレクティブはこれまでシドニー・ビエンナーレ(2016)、ジャカルタ・ビエンナーレ(2017)、ドクメンタ14(カッセル、2017)、ハワイ・トリエンナーレ(2022)などの国際展に参加。ポンピドゥー・センター(パリ、2017)、MoMA PS1(ニューヨーク、2019)、パレ・ド・トーキョー(パリ、2022)、セセッション(ウィーン、2023)などの美術館で作品を上映。