チェン・ジエレン(陳界仁)の映像作品は、経済的に困窮している労働者や失業者、移民、アクティビストなどと協働で制作され、台湾社会の周縁に生きる人々の心傷や苦境を、アーカイブ映像とフィクションを織り交ぜながら描きます。日本植民地時代に建設されたハンセン病棟や、かつての台湾経済を支えた工場の跡地など、歴代政権の建築的遺産で実際に撮影された作品は、さまざまな統治のあり方に翻弄される人々の姿を明らかにし、忘れ去られた過去を未完の対話として現在に蘇らせるものです。
前期・後期で構成される当プログラムでは、森美術館が所蔵する《工場》と《ルート》を含む、チェンの初期作品から近作までを紹介します。
上映作品
当プログラムは前期・後期に分かれており、以下のスケジュールで上映いたします。
【前期】
2019年11月19日(火)~2020年1月28日(火)
1 《工場》 2003年 31分9秒
2 《ルート》 2006年 16分45秒
3 《残響世界》 2014/2019年 59分47秒
※全体約1時間50分で、以下の時間より上映を開始いたします。
10:00、11:50、13:40、15:30、17:20、19:10、21:00(*)
(祝日を除く火曜日10:00、11:50、13:40、15:30〔*〕)
* 最終上映は《工場》と《ルート》で終了します。
【後期】
2020年1月29日(水)~3月29日(日)
1 《工場》 2003年 31分9秒
2 《ルート》 2006年 16分45秒
3 《星図》 2017年 3分50秒
4 《中空の地》 2017年 61分7秒
※全体約2時間で、以下の時間より上映を開始いたします。
10:00、12:00、14:00、16:00、18:00、20:00
(祝日を除く火曜日10:00、12:00、14:00、16:00〔*〕)
* 火曜日の最終上映は《工場》と《ルート》で終了します。
※ラーニング・プログラム等実施のため、「MAMスクリーン」の上映のない時間帯があります。詳細はこちら。
チェン・ジエレン(陳界仁)
1960年台湾生まれ。台北市立美術館(2010年)、ソフィア王妃芸術センター(マドリード、2008年)などで個展を開催。ベネチア・ビエンナーレなどの大型国際展にも参加。第12回アワード・オブ・アート・チャイナよりアーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞(2018年)。