ミハイル・カリキス(1975年テッサロニキ〔ギリシャ〕生まれ)は、音楽、建築を学んだ後、映像、写真、パフォーマンスなど多様なジャンルを横断し、体感型インスタレーションへと発展させてきました。彼は音を作品の主要な素材として捉えており、なかでも人間の声は重要な役割を果たしています。
本プログラムでは、《地底からの音》《怖くなんかない》《チョーク工場》の3作品を上映します。元炭鉱労働者による合唱団が、当時聞いていた爆発音や機械音などを声に転換して歌う《地底からの音》。過疎化した村で生きるティーンエイジャーの思いからラップを作曲し、ミュージックビデオ風に仕上げた《怖くなんかない》。1950年代末から積極的に障がい者を雇用してきた工場のサウンドスケープ(音による風景)が描かれた《チョーク工場》。いずれも、人間の存在そのもの、友情、労働、行動(アクション)などに対するオルタナティブなモデルを提示し、経済や産業構造の変化が個々の人生に及ぼす影響、労働や雇用とは何か、コミュニティとは何か、といった根源的な問題を考えさせます。
上映作品
《地底からの音》 | 2011-2012年 ビデオ 6分47秒 |
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《怖くなんかない》 | 2016年 ビデオ 10分 |
《チョーク工場》 | 2017/2019年 ビデオ(シングル・チャンネル・エディション) 22分22秒 |
上映作品
- 《地底からの音》
- 2011-2012年 ビデオ 6分47秒
- 《怖くなんかない》
- 2016年 ビデオ 10分
- 《チョーク工場》
- 2017/2019年 ビデオ(シングル・チャンネル・エディション) 22分22秒
ミハイル・カリキス
1975年テッサロニキ(ギリシャ)生まれ、ロンドン在住。第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2011年)、マニフェスタ9(ベルギー、2012年)、あいちトリエンナーレ2013、第19回シドニー・ビエンナーレ(2014年) など世界各地の国際展や美術館で作品を発表。2019年2月8日から24日まで第11回恵比寿映像祭にも参加する。