ニューヨークを拠点に活動する近藤聡乃(1980年生まれ)は、マンガ、アニメーション、ドローイング、油彩画、エッセイなど、多様な手法を用いて独特の表現世界を築いてきました。近藤の描く世界は、自身の経験や記憶、感覚に基づいた、虚実が入り混じった夢のような印象を与えます。原初的な記憶、女性特有の身体の変化、人と自然が混然一体となる環境、興味と恐怖のはざまにある感覚など、潜在意識を暴くかのような妖しい魅力を湛えた作品は、国内外で高く評価されてきました。
すでにマンガ家としてデビューしていた近藤は、多摩美術大学在学中に「マンガを動かす」という発想でアニメーションの制作を始めます。音楽と動きを伴うその手法は、近藤の表現に広がりと可能性を与えました。本展では、これらのアニメーション作品3 本とともに、初の試みとして短編マンガをスライドショーの形式で発表します。紙をめくる感覚とは一味違う、新たなマンガ体験をお楽しみください。
上映作品
映像作品
《電車かもしれない》2001-2002年 3分56秒
《てんとう虫のおとむらい》2005-2006年 5分38秒
《KiyaKiya》2010-2011年 6分39秒
マンガ作品 ※スライドショー形式で紹介
《タンスの少年》2005/2018年 3分7秒
《まちあわせ》2005/2018年 3分7秒
《夢の浮橋》2015/2018年 5分40秒
近藤聡乃
1980年千葉県生まれ。2003年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。2008年よりニューヨーク在住。森美術館では「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(2014年)に出品。主な個展に「KiyaKiya」(ミヅマアートギャラリー、2011年)、主な出版物に『いつものはなし』(青林工藝舎、2008年)、『近藤聡乃作品集』(ナナロク社、2013年)、『ニューヨークで考え中①② 』(亜紀書房、2015年/2018年)、『A子さんの恋人①~④ 』(KADOKAWA、2015~2017年)など。