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サン

サウンド・インスタレーション、照明、ミクストメディア
制作：松田 修（録音、編集）、上村洋一（サウンドデザイン）、涌井智仁（音響、照明）、水野響（英訳）
協力：新潮社
制作協力：株式会社ホワイトライト、水戸芸術館現代美術センター

私は完全なる死を産んでしまった。

私は完全なる死を産んでしまった。

私は完全なる死を産んでしまった。

イエスが全人類の代わりに十字架の上でお亡くなりになったのと引き換えに全ての罪は赦された。
誰がいつ寝て、起きなかろうが、赦されている。

従姉妹が夏に死んだ。

四日間どこかで酒を飲み、家に帰って来てきっとトイレで嘔吐しようとして二階から一階に向かって落ちた。
後に分かった死因は肝硬変だった。外傷は無かった。階段は呼び水じゃん。

「打たれたが痛くもない。たたかれたが感じもしない。酔いが醒めたらまたもっと酒を求めよう。」

愛してる。

イエスの血を道路の垣根の土、地球に還す。
すなわち創造された天の父に返すのである。
主よ、金を還元してください。1ゲロ幾らだとお思いですか？　

酒は不遜、強い酒は騒ぎ。

あそこにはどうやってたどり着いたのだろうか。

命とは繋がりであり、時間であり、態度である。

ママは客に年齢を明かしていなかったが、ある日原爆投下日に生まれたと教えてくれた。

「悔い改めよ、天の国は近づいた」。

近くなくて良い。


神はそこで、人を深い眠りに落とされた。人が眠り込むと、あばら骨の一部を抜き取り、その跡を肉でふさがれた。

人類初の全身麻酔はアダムからイヴを誕生させる創世記に遡る。

全身麻酔をした。

卵巣から卵子を採卵して凍結保存するために。
医師に出されたホルモン剤を採卵まで連日、自己注射する。
注射の中身は何だったのか。

あなたの業を主にゆだねれば計らうことは固く立つ。

大理石調の机の上に、冷蔵庫から取り出した粉が入ったガラス瓶と、生理食塩液の入ったガラスアンプル、注射器二本を並べる。
冷えているのがわかる。

ゴム製の器具でアンプルの先をパキッと折って注射器で中の生理食塩液を吸う。
それをガラス瓶に入った粉と混ぜる。

粉が液に溶けていく。

もう一本の新しい注射器でそれを吸う。
皮膚をアルコール消毒の紙でてろてろとなぞり、左手で腹の肉を摘む。
右手で一気に針を根元まで刺す。ゆっくり冷たい液体を体内に取り入れる。

恍惚が降り注ぎ天使が身体の右上と頭上を舞い祝福される。
高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人あれ。
天使に天の大軍。
イニシエーション。
真の祝福を全身に浴びる。
神様、明日が早く来ますように！

早く、
早く次も打ちたい。

私の肉の卵子と精子が試験管の中で統合する。

白い光が輝いて反射していた。

かつてあったことは、これからもあり、かつて起こったことは、これからも起こる。

太陽の下、新しいものは何ひとつない。

ガラスの中で、肉から取り出した卵子に夫の精子が天使の羽のように鞭毛が舞いながら上から振りかけられる。
精子が卵子内部に突撃し合体する。
一匹が侵入すれば他の九十九匹の子羊は硬化していく卵子の膜に突き刺さる。
あなたがたは迷いでた一匹の子羊である。

受精卵になる。

細胞が分裂する。

そのメシアの誕生の瞬間を動画で見る事ができる。

頭に叩き出た輝く銀色の世界。
祝福せよ。
私はアルファでありオメガである。
初めであり、終わりである。

渇いている者には、命の水の泉から価なしに飲ませよう。

メシアを肉の胎内に戻すとき、クリスマスは私によって定められる。

今頃、私の受精卵は冷たく暗く凍っているのだろうか。

頭痛がして咳が出る。
すぐに肺炎にかかる。
一ヶ月半くらい悪寒と発熱を繰り返していたことがあり、レントゲンを撮ったら肺が真っ白だった。咳をしていなかったから肺炎とは気付かず酒を飲み続けていた。
左右の肺が一センチ角ずつ黒く潰れている。
身体の中に全く機能していない無意味な存在がある

神はいないよ、と聞かされた今、これまでやってきたことは全て私がやったことだと私は知っている。

私には死にまとわりつかれた５年間がある。
わたしのはらわたは溶けて地に流れる。そのとき頭に浮かぶ３文字は、
「どうか」。
その後に続く言葉とは。

手を組み合わせて病院のベッドにいた。

軛を負わされたなら黙して、独り座っているがよい。

塵に口をつけよ、望みが見いだせるかもしれない。

数日前から烏龍茶みたいな色の血尿がでていたが、無視していた。
異様に腹もいたかったが、それも無視した。
蟻が診療所内に行列で這っている病院で、血液検査をして帰った。夕方、「ウチじゃ手に負えない。紹介状を書くから今すぐ行け」

真っ暗な病室の天井を眺めながら、涙を軽く頬に流してみる。

「どうか神様、意識が朦朧としませんように」。

どうか。

この頃はとろろが蕎麦の隙間にはいりこむように、死が自然に私に絡んできていた。

ウチらの名前って超最高！　気分良し。常に側にいるやつじゃん、太陽。なんなわけ、変形して熱にも強くなろうよ、勝手に名前つけてんじゃねーよ。ウチらコロナなのに熱にまだ弱いじゃん、変えてこ、変えてこ！　OK!　あの辺りに融合してくる、あとで合流しよっ！　アイツらウチらのこと根絶しようとしてるよ、最低。自分達がされたらどう思うわけ。まあいいよ、出来ないよ。

お湯に浸かりながら浴槽の縁に足首をかけて夫の顔に向けて股を広げた。

「妊娠中のマンコ見てみなよ。」ほーら、と広げてみたら「やめろよぉ。」と口の中の歯磨き粉をマンコに向けて吐いた。

コロナが日本到来するのとほぼ同時期に私の子宮に受精卵が到着した。

生命を誕生させる為だけのセックスは必要ない。

快楽由来のセックスには名分がある。
これからは精子がデリバリーされ、卵子が盗まれる時代になるだろう。

マリア。

2020年１月18日、私は凍らせておいた源を胎内に配置したのだった。

肺炎、肝炎、髄膜炎、
太陽の炎で炙られるようにウィルス達が私の肉体を焦がしていった。
だから元々エレベーターのボタンは指先では押さないし、外で着た服のまま家の中を歩かない。

家の外で鳴り響く17時の区の放送で起床し、太陽が満遍なく辺りを照らし始める頃に遮光カーテンをピッチリと閉め眠る。
見る事が出来ないコロナの存在により、太陽光から遥かに遠ざけられていく。

一体いつから太陽を目撃していないのだろうか、と考えながら不要不急の陰毛の観察を始める。
毎日欠かさずに続けられた。
誰も生やしてないようなこのご時世に私は陰毛を生やすのが好きなのだ。
机の角にマンコをぶつけた際、生の衝撃とクッションを挟むのなら、後者の実用性を選ぶだろう。陰毛に感謝を捧げる。

妊娠の影響で１本、長い陰毛が生まれた。

伸ばしたり、ひっぱったり、太陽と無縁のその陰毛を愛しむ。
ある日、もうこれ以上は伸びないだろう、という手がとっさに動いて一気に引き抜いていた。

この陰毛は緊急事態宣言中にただ唯一、能動的に動く事が出来た、つまり私と赤ん坊が生きていた、という証拠だ。

外出しないうちに肉体は溶けネズミの形態になった。
精神が殻がない兜虫のように剥き出しになる。
他人と会わず、連絡もない。
彷徨うだけの魂。

妊婦面談として嘔吐の一途を辿る体で保健センターに赴く。
薄暗い建物内はコロナに対応できず、未だソーシャルディスタンスの概念もなければ、飛沫を遮るビニールも無い。
パンフレットに書いてあるものを読みあげるだけのババアと対面し、心に響くもの、得るものが唯の一つもない。
母子手帳に赤ん坊のウンチの色シートがある。ウンチとその色シートを合わせると良いらしい。

途中でゲロを吐きそうになる。

聖書と私は１対１の関係であり、その間に他者は存在しない。

転がりながら灰色の絨毯に顔を押しつけそれを舐め、目玉の先にある毛束から出ている繊維を数えながら、ずっとこの時間が続いたら……、と、10歳になろうが40歳になろうが何十年経ってもこの“今” が続いた場合について考えた。

蜉蝣が一万匹いたら一万人死ぬのだろうか？
しかし誰が死ぬんだろう。

出産予定日の14日前。誕生日は365日に一回なんだから、すぐにやってくる。
男の子でした、女の子でした、何gでした。
誕生日の概念。名字。
お腹の中の子がもそもそと今も動いている。これだけなんじゃないのか。

同じ一つの受精卵から派生して片一方の肉体は寿命80年くらいあるのに対し、もう一つの胎盤は太古に感染したウィルス由来で、９ヵ月と少ししか持たない。
だんだんボロボロになっていく。９ヵ月で死に至る人間の臓器は他に無い。

この９ヵ月、私はどう生きたのか。

生きるとは態度である。

体内にいる別の生は、どこまで広がっているのだろう。
今まで私の心臓があると思われた部分まで動いている。手を伸ばしているのだろうか。私の左側の腹には足先を伸ばしているようだ。頭は骨盤の方。私は人生の殆どを横になって過ごしているが、別の命は頭が下になっている。

もう眠い。朝の８時41分だ。

もう一つの生は20分起きたら20分寝て、を繰り返していると助産師から聞いた。
40分間一度も動かなければ、死んでいる。

歌舞伎町にあるソシアルビルの屋上に、28人と何人かのホスト達が集まった。
エコー写真を模した４メートル40センチの光る風船に、長い赤い糸をくくりつける。

「私はご飯を作れません。郵便物を受け取ることもままなりません。お腹の子が育っていく中で、ここにいる皆様には子に対して自覚を持っていただくことを会の目的とし、まだお腹から外には出ていませんが、早めに紹介して関係を結んでおくという次第です。乾杯。」

風船に繋がる血管を各々が持つ。
赤ん坊は夜の街のネオンの上の真っ暗な空にぼんやりと光りながら、挨拶がてら漂った。

絶対に手を離すなよ。

予定日を超過し６日目の日曜14時、波のある痛みで起きた。
おしるしというピンク色の粘った液体も出た。
この産院は日曜日と夜間は無痛分娩が出来ない。
私は17時に横浜中華街に北京ダックを食べに行かなくてはいけない。保釈されたばかりの友人から産まれそうか？　と連絡がきて、北京ダックが諦められないと相談すると、諦めたらスッキリするよ、塀の中で諦めた、と返ってきた。

いよいよ痛くなってきたので22時29分に産院に電話すると、「間隔がまだ長いので１分とか２分とかに狭まってからまた電話してください」と言われる。

もう一眠りしようかなあと、お腹から「でいんっ」と音がして、骨なのか赤ちゃんなのか、わりかし硬いものがガチャンと揺れた。

23時６分。産院に破水した、と電話する。
廊下に茶緑色の液体が漏れている。
羊水は通常、透明なのだ。
着替えて分娩室に行き胎児の心拍数を測る機械をお腹に巻かれる。
しばらく測って記録されていく紙を見つめる。

点滴のための注射をしますと右手を持たれたので、左手でお願いしますと言った。右利きなので左手がいいのだ。右に良い血管があるから右で行きたいと再度要請があったが、もう一度左を推し、結果針がずれて血が飛び散った。

テニスボールを肛門にあてて、いきみ逃がしをする。

深夜に入り、痛みが暴走する。
一段階、二段階、と上がっていき、例の浮かばない痛みがやってくる。麻酔なしで歯を毎分ゆっくりと抜いていくのとも何か違う。
息を吐き痛みを逃す。１時半頃、和痛の注射を打ちますか、と言われ頷く。暫くして意識がぼんやりしてくるが、痛みが軽減しない事に気付いた。看護師に伝えると、そうなんですよ、和痛は限りなく自然分娩に近くて、無痛との真ん中にあるわけじゃないんです、陣痛と陣痛の間にうとうとしたり気持ちがリラックスします。

もう一つ気付いたことがある。私の精神状態がダウナー系の薬剤によりダークサイドに落ちてしまった。バッドに入ったのである。私は陣痛の痛みの他にもう一つ問題を抱えることになった。

溷濁した意識の中で時間を確認しながら、ここは産院、薬はきっと３時間も経てば半減期を迎え最悪長くて６時間の気がする。父が買っておいたストローから水を飲み状況を整理しながら、落ちた崖の下をうろうろと回っていた。

分娩室の天井は七色に光り続け、目線の先にはテレビから草原や森や草木の映像が微弱な曲と共に流れている。天井の光の中に２点の染みがあり、誰かの血飛沫だろうと分娩台によこたわりながら見つめ続けた。

４時40分、どうやら私は取り返しのつかない大それた事をしてしまった。自ら選択し、妊娠を進めたのだ。頭部の方角から朝の光が差し込みはじめたのに気付く。どんな形状か知る術も持ちあわせないが、きっと窓がある、私の頭蓋骨とアスファルトが接地し、終わる。どうか。

目の前の映像に、痛みのタイミングで胞子を被った土筆が必ず出てくることに気付いた。痛みと土筆は連動していた。

もう一本あるイルカが泳いでる映像に変えてくださいと頼んで、部屋がカラ館みたくなる。７時半。

８時10分、担当医が登場し、私は無言で糞と血と茶緑色にまみれた身体を茹でられたエビのように丸め、背中を差し出す。
麻酔が効いて８時40分。子宮口６センチ。10時を過ぎると隣の部屋から叫び声と拍手が聞こえてきた。

担当医と顔を合わせるうちに、この人物は私の友人とパートナーになるのに合うのではないかと考えていた。まずは本人にその意思があるかどうか、分娩台から聞く。次はバッグの中から夫に紙と赤ペンを出してもらい、友人達に頼まれていた富士山を書く。陣痛中に書いた赤富士の紙で子宝に恵まれるというジンクスがある。医師がもう一人やってきてお腹を押す。呼吸と、押すのと、引っ張るのを、息を合わせる。吸って、吐いて、吸って、吐いて、吸って、息を止めて、いきむ。

16時30分、昨日からの一連の流れを回想していた。

喉元過ぎれば、熱さを忘れる。
痛みは過ぎ去ってしまった。

すでに、人生のどんな痛みよりも群を抜いた、あの激しさを欲している。
この24時間を、今すぐにでもまたやりたいと、病室のベッドで願う。

私は完全なる死を産んでしまった。

私は完全なる死を産んでしまった。

私は完全なる死を産んでしまった。


『SUN』(エリイ著作「はい、こんにちは」から抜粋)

SUN

2022
Sound installation, light, mixed media
Production: Matsuda Osamu (recording and editing), Kamimura Yoichi (sound design), Wakui Tomohito (acoustic and lighting), Mizuno Hibiki (translation)
Support: Shinchosha
Production Support: WHITELIGHT Ltd. and Contemporary Art Center, Art Tower Mito

I have birthed a perfect death.

I have birthed a perfect death.

I have birthed a perfect death.

Jesus sacrificed himself on the cross, and in exchange, all of mankind’s sins were forgiven.
No matter when you sleep or when you wake, you are forgiven.

My cousin died in the summertime.

She drank for four days straight, came home, maybe tried to vomit in the bathroom, and fell from the second floor.
The cause of death was later revealed as liver cirrhosis. She had no exterior wounds. The stairs were only a primer.

“They have struck me, but I was not hurt; They have beaten me, but I did not feel it. When shall I awake, that I may seek another drink?”

I love you.

I return the blood of Christ to Earth, to the soil of the tree lined streets.
Thus, I return it to our father in heaven, our creator.
Lord, may you give back in cash. How much would you say vomiting once is worth?

Wine is a mocker, strong drink a brawler.

How did I end up there?

Living is about connection, time, and attitude.

The bar owner never revealed her age, but she once told me that her birthday was on the same day as the atomic bombing.

“Repent, for the kingdom of heaven is at hand.”

There’s no need to be at hand.

And the Lord God caused a deep sleep to fall on Adam, and he slept; and He took one of his ribs, and closed up the flesh in its place.

The world’s first use of general anesthesia harks back to Genesis, when Eve was created from Adam.

I was given general anesthesia to harvest my ovary’s egg and freeze it.
To prepare, every day I self-injected hormones prescribed by my doctor.
What did the syringe hold inside?

Commit to the Lord whatever you do, and he will establish your plans.

On a marbled table, I place a glass bottle of powder taken fresh out of the fridge, a glass ampoule with saline, and two syringes.
The bottle is clearly chilled.

I use a rubber tool to break the tip of the ampoule and fill the syringe with the saline.
Injecting it into the bottle, I watch as the powder melts into the liquid.

I fill the other syringe with it.
I use alcohol wipes to trace my skin and squeeze the flesh of my belly with my left hand.
With my right, I plunge the needle all the way and slowly take in the cold liquid.

A bright light falls upon me and angels fly around to grant their blessing, one on my right and the other above.
Glory to God in the highest, and on earth peace, good will toward men.
With the angel a multitude of the heavenly host.
An initiation.
I’m showered in true blessings.
Lord, may tomorrow come already!

I’m impatient, waiting for my next shot.

My fleshy egg and the sperm merge inside the vial.

A light reflected, flashing.

What has been will be again, what has been done will be done again;
there is nothing new under the sun.

Inside the glass, my husband’s seed—with their flagella fluttering like angels’ wings—is sprinkled onto my egg.
The sperm charges toward the egg to merge.
After one penetrates the wall, the other 99 sheep get stuck to its hardening outer layer.
You are all the lost sheep.

A fertilized egg.

Your cells divide.

It’s possible to witness this moment—the birth of the Messiah—on video.

A shimmering world of silver abounds.
Bless.
I am the Alpha and the Omega,
the Beginning and the End.

To the thirsty I will give water without cost from the spring of the water of life.

I decide when Christmas will be, when I return the Messiah to the flesh of my womb.

Until then, will my fertilized egg sit somewhere frozen, in the cold darkness?


I develop a headache and a cough; I catch pneumonia right away.
For about a month and a half, I kept getting fevers and chills. When I got an X-ray, my lungs were totally white. Before the cough, I didn’t realize it was pneumonia, so I kept drinking. There is a dark spot in each of my lungs, exactly one-centimeter square in size.
There are parts of my body that don’t function, that are useless.

Now that I’ve been told God doesn’t exist, I understand that all my deeds are my own.

There were five years of my life where death took a liking to me.
My guts melt and pour out onto the ground. The only words that come to me are
“I beg you.”
What words will follow?

I was lying on a hospital bed with my hands clasped together.

Let him sit alone in silence, for the Lord has laid it on him.

Let him bury his face in the dust—there may yet be hope.

For the past few days, my pee had been the color of oolong tea but I ignored it.
I was experiencing strange stomach pains but I ignored that too.
I took a blood test at a hospital where crawling ants queued in the clinic.
In the afternoon, they told me my condition was beyond their capacity and recommended that I immediately go somewhere else.

Staring at the pitch-black ceiling of the hospital, I let a few tears roll down my cheeks.

“God, I beg you, please don’t let me pass out.”

I beg you.

In those days, death effortlessly clung to me, like grated yam in soba.


Our name rules! We feel awesome! That sun thing is always around though. So, what the heck, let’s change shape and become more heat resistant. Quit giving us new names! We’re coronavirus! But we’re still weak to heat, so let’s change that, come on! OK! I’ll merge over there, let’s meet up later! They’re trying to get rid of us, it sucks. How would they like it in our shoes? Whatever, they’ll fail either way.


Facing my husband in the bath, I rested my ankles on the edge of the tub and parted my legs wide.

“Do you see this pregnant pussy?” I said, spreading. “Oh, come on,” he replied, spitting toothpaste my vulva’s way.

At almost the same time that the coronavirus arrived in Japan, my fertilized egg reached my uterus.

Sex for the sole purpose of reproduction is unnecessary.

Sex for the sake of pleasure, on the other hand, is justified.
We’ll soon enter an era where sperm is conveniently delivered and eggs are stolen.

Maria.

January 18, 2020, I placed the frozen life source inside my womb.

Pneumonia, hepatitis, meningitis—the viruses scorched my body like the sun.
It’s why I already avoided pressing the elevator buttons with my fingers and always changed my clothes the moment I got home.

I wake up to the ward’s 5pm chimes outside and when I sleep, I pull the blackout curtains closed just as the sun’s rays touch everything.
I drift further away from sunlight thanks to the invisible presence of the coronavirus.

I wondered when I had last seen the sun as I began my “non-essential and non-urgent” pubic hair observation.
It’s the one thing I was able to do everyday.
Going against today’s trends, I prefer to let it grow.
If I were to bump my pussy on the corner of a desk, rather than raw shock, I’d choose to have a bit of cushioning for practical reasons. I give thanks to my pubes.

My pregnancy produced one particularly long strand.

I tugged and pulled, tending to this hair that had never seen the light of day.
Finally, when I felt like it could no longer grow, I quickly yanked it out in a single motion.

This strand of pubic hair was the only thing actively moving about during the state of emergency; thus, it serves as proof that my baby and I were alive.

As I stayed home, my body began to melt and morph into a rat.
My soul became exposed, like a beetle without a shell.
I didn’t see or hear from anyone.
A spirit that simply floats around.

I arrived at the health center for my check-up with a body that only knew how to vomit.
The dimly lit building wasn’t equipped with safety measures; there wasn’t a single vinyl curtain to shield us from droplets. Social distancing wasn’t a concept here.
The old hag I spoke to just read from the pamphlet and not a word of it moved me.
The parenting handbook included a color swatch for baby poop. They suggested I compare it with my baby’s.

I nearly vomited halfway through.

I have a one-on-one relationship with the bible; no one else exists between us.

I rolled around my gray carpet, pressing my face into it, licking. As I counted the fibers spilling out of the bundle before me, I thought about this moment as if it were never-ending—what if the present continues for decades, whether I am ten or 40 or some other age?

If you see 10,000 mayflies, will 10,000 people die?
Who would be counted among them?

It’s fourteen days before I’m due. Birthdays come right away, every 365 days.
It’s a boy, it’s a girl, it weighs however many grams.
No more birthdays. No more last names.
The baby in my belly still moves slowly. Isn’t that what matters?

While the body derived from a fertilized egg has a lifespan of about 80 years, the placenta from the same egg only lasts about nine months, due to an ancient viral infection.
Gradually, it withers away. No other organ becomes dysfunctional in nine months.

How did I live out those months?

Living is an attitude.

What is the reach of this living other inside my body?
The area which I once thought was my heart is moving. Is it reaching out? It seems to be stretching its legs towards the left side of my belly. Its head is toward my pelvis. I’ve spent most of my life laying on my side, but this other life is head-down.

I feel sleepy. It’s 8:41 in the morning.

The midwife told me the other life is awake for 20 minutes, then sleeps for another 20.
If it doesn’t move for 40 minutes straight, it has passed.

Twenty-eight guests and a couple of host club workers gathered on the rooftop of a Kabukicho building.
Long red threads were tied to a 4.4-meter balloon with an image of the sonogram.

“I can’t cook. I can barely get the mail. This gathering is to make you all aware of the child growing inside my belly, and though it hasn’t come out yet, I’d like to introduce you early so you can cultivate a relationship. Cheers!”

Each person held one of the balloon’s blood vessels.
Glowing in the pitch-black above the nightlife district’s neon lights, the baby floated as a greeting.

Don’t you dare let go.


At 2pm on a Sunday, six days after my projected due date, I awake with a pulsating pain.
A sticky, pinkish fluid known as a bloody show comes out.
This maternity hospital can’t perform an epidural on Sundays or at night.
I have plans to eat Peking duck in Yokohama’s Chinatown at 5pm.
My friend, recently out on bail, reaches out to ask if the baby is coming, and I confess to them, “But I just can’t give up that Peking duck.” They tell me, “You’ll feel clear-headed once you give up; I gave up when I was on the inside.”

The pain grows unbearable, so I call the hospital at 10:29 pm only to be told to call back when the intervals are shorter, about one to two minutes.

I think about taking a nap when suddenly from my belly I hear a boing, and something quite hard, maybe a bone or the baby, cracks loudly.

11:06 pm, I call the hospital to tell them my water broke.
A brownish-green fluid spills in the hallway.
The water is supposed to be clear.
When I arrive, I change and get taken to the delivery room where they wrap a machine around my belly to record the fetus’ heart rate.
I watch as the machine records measurements onto paper.

The nurse takes my right hand to do an infusion, but since I’m a righty I insist she take my left. They press me to go with my right since it has a good vein, but I ask again for my left. After all that the needle misses the mark, and my blood splatters everywhere.

I press a tennis ball against my anus to relieve pain.

After midnight, the pain intensifies.
It reaches incomparable levels as it increases. It’s different from the pain of having your teeth slowly extracted without anesthesia.
I exhale to release the pain. Around 1:30 am, I nod when they ask me if I’d like a shot of pain reliever. After a while, I notice my mind blur, but the pain doesn’t subside. I tell the nurse, who responds that this kind of pain relief is closer to a natural childbirth than an epidural, and that I’ll feel more drowsy and relaxed between contractions.

I notice something else. My mind has gone to the dark side from the downers, and I’ve now entered a bad trip. It’s just another problem I must attend to on top of my labor pains.
As I check the time in a hazy state, I realize the medication will reach its half-life in about three hours, lasting six hours at best. Sipping on water from the straw my father bought me, I analyze the situation and wander around the bottom of the pit.

The ceiling of the delivery room shimmers in rainbows while grassy fields and forests appear on TV accompanied by soft music. Lying on the delivery bed, I stare at the two stains I found in the shiny ceiling, curious whose blood it could be.

4:40 am, I realize I’ve made a huge decision that I can’t take back. I chose to go through with this. I notice the sun rise from behind my head. There’s no way for me to figure out the shape of the window, but I know it’s there. My skull will meet the asphalt, and this will all end, I beg you.

I notice that whenever the pain intensifies, fertile horsetail plants appear on the TV; the two are interconnected.

I ask the nurse to switch the video to the dolphin one, and suddenly all its colorful reflections fill the room like a karaoke booth. 7:30 am.

8:10 am, my doctor arrives, and I show him my back, curling up my body—smeared with brown-green fluids, feces, and blood—like a boiled shrimp.
The anesthesia kicks in around 8:40 am. My cervical os is 6cm wide. After 10 am, I hear people cheering and clapping next door.

As I meet with the doctor, I start to think he might make a good partner for my friend. From the delivery table, I ask him if he’s interested. Next, I ask my husband to take out a sheet of paper and a red pen so I can draw Mount Fuji for my friends as promised. There’s a saying that people who receive these red Mount Fujis drawn during labor will be blessed with children. Another doctor comes in and presses on my stomach. I breathe and push and pull and breathe. Inhale, exhale, inhale, exhale, inhale, hold breath, push.

4:30 pm, I go over the series of events since last night.

Once danger passes, torment is forgotten.
The pain has left me behind.

Already, I crave the intensity, the incomparable ache.
From my hospital bed, I wish to repeat the last 24 hours all over again.


I have birthed a perfect death.

I have birthed a perfect death.

I have birthed a perfect death.