展覧会概要
世界には物語があふれています。神話や民話、ファンタジー、推理小説、恋愛小説など、語りや書物、あるいは映像 を通して慣れ親しんできた「物語」は、洋の東西を問わず、人間にとってもっとも原初的なエンターテイメントといえるでしょう。そしてまた、日々の暮らしの 中で、私たち一人ひとりの物語が作られ続けています。 本展覧会では、今日のアートにみられる物語性に着目し、作品の中で物語がどのように形作られているのか、あるいはどのような物語が潜在しているかを探りま す。そこでは人種、性差、家族、個人のアイデンティティーなど、現代社会の抱える様々な問題と、アーティスト個人の体験が複雑にからみあいながら表現され ています。作品を見る私たちもまた、自分自身の体験や意識に向きあうことになります。 日本、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、オセアニアなど様々な地域出身の14名の参加アーティストによるバラエティーあふれる表現を通して、アートの多様 性を考察するとともに、地域を超えた同時代的なメッセージを読みとっていきます。 様々な物語を紡ぐアートを、小説のように「読み」、映画や演劇のように「観る」楽しさを、展覧会の中で体験していただきたいと思います。

mam screen


キャレン・ヤシンスキー
怖れ 2001
Courtesy: Sprueth Magers
Projekte, München


アンネ・オロフソン
不在者に祝福あれ 2000
Courtesy: Artist and
Marianne Boesky Gallery


イケムラレイコ
赤の中に臥して 1997
Courtesy: SHUGOARTS

出品アーティスト

エイヤ=リーサ・アハティラ(フィンランド)
ジャナン・アルアニ(イギリス)
グレゴリー・クリュードソン(アメリカ)
シュテファン・エクスラー(ドイツ)
テリーザ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラー(アメリカ)
イケムラレイコ(日本・ドイツ)
ウィリアム・ケントリッジ(南アフリカ)
鴻池朋子(日本)
トレイシー・モファット(オーストラリア)
小谷元彦(日本)
アンネ・オロフソン(スウェーデン)
キャラ・ウォーカー(アメリカ)
マーク・ウォリンジャー(イギリス)
キャレン・ヤシンスキー(アメリカ)

*姓のアルファベット順


mamscreen log

MAM SCREENは森美術館で開催中の展覧会に関連するアート映像を、月替わりで上映します。上映場所はメトロハットの屋外500インチスクリーンやウェストウォークのPDPモニターなど六本木ヒルズ内各所。詳細はこちら

「ストーリーテラーズ」展からは、米国人アーティスト、キャレン・ヤシンスキーの作品を6月に上映。

キャレン・ヤシンスキー
《あなたが本当に愛しているのは誰?》
2003年
kwon ki-soo