メンバーズ・イベント


MAMCナイト MAMCメンバーズ・ギャザリング


片岡真実の案内で《スノー》を鑑賞
Photo: Mikuriya Shinichiro

《ヴァルト・アウス・ヴァルト(林による林)》を腰をかがめながらお散歩
Photo: Mikuriya Shinichiro

メンバー限定MAMCナイト「制作の舞台裏を披露!」

一般向けとは一味違う内容のメンバー限定イベント、MAMCナイト。「ネイチャー・センス展」では8月17日(火)に開催しました。この日のプログラムは、ギャラリートークと制作の舞台裏を紹介するスライドトークの2本立て。その模様をダイジェストでお伝えします。


《鑑賞のポイント、教えます》

MAMCナイト前半は、本展を企画したチーフ・キュレーターの片岡真実によるギャラリートーク。メンバーのみなさんと一緒にギャラリーをまわりながら、作品の見所を解説しました。

会場入り口に現れるのは、吉岡徳仁さんの作品《スノー》。巨大なボックス(横14m×高6m×奥5m)の中で羽毛がまるで雪のように舞っています。

これは実はデンマーク産の最高級羽毛。今回の作品を制作するためには大量に必要だったのですが、布団で有名な西川産業からお借りし、完成することができました。

ギャラリー中ほどには、白い液体がはられた丸いプールのような作品、篠田太郎さんの《銀河》があります。天井に水の入ったペットボトル約50本がセットされていて、一定時間毎に、同時に水滴が落ちてきます。その波紋が描くのは、北斗七星やオリオン座など、東京の夏の夜空に見える星座。その星の輝きを波紋で表現した作品です。しかし波紋はすぐに消えてしまうため、うっかりすると瞬きでも見逃してしまいます。

そこで片岡は、作品鑑賞のポイントを3つ紹介しました。1つは「天井のペットボトルの位置を確認すると、何座なのかわかりやすい」。それから「自分の近くより、遠くの波紋の方が観やすい」。そして最後に、水滴が落ちるタイミングがかなり正確にわかる方法を明かしたのですが、これは会場にいらしてくれたメンバーだけの秘密にしておきます。ヒントは、普段よりもちょっとだけ感覚を敏感にすること。ぜひ会場で試してみてください。


《スペシャルゲストの栗林隆さんがご登場!》

後半は、スライドトークで出展アーティストの制作の舞台裏を紹介しました。最初に吉岡徳仁さんと篠田太郎さんの制作の様子を片岡が解説。その後、スペシャルゲストとして栗林隆さんにご登場いただき、そこからは対談形式で展開しました。

《ヴァルト・アウス・ヴァルト(林による林)》が会場でだんだんと出来上がっていく様子をスライドで見せながら、まずは片岡から。「ここに至るまでが大変でしたよね。なかなか先が見えなくて、本当にできるのか不安で……。アトリエがある逗子まで行って『どこまでできているの?』とプレッシャーをかけたこともあります(笑)」

そのときの心境を栗林さんはこう振り返りました。「ある程度先まで決めないとアイディアやドローイングにできないのですが、今回は新作だったのと、会場で実際にどれぐらいのものができるのかわからなかったので、なかなか先に進めなかったんです。2月頃(オープンの約半年前)に片岡さんがアトリエまで見に来たときは本当に何もできていなくて。『酒でも飲ませてごまかそう』と思ったら、『車で来たから飲めない』と言われて(笑)」

スケールの大きな新作に挑んだアーティストの栗林さんと、アーティストに大きな空間を提供したキュレーターの片岡。ふたりの挑戦の先には、いったいどんな困難が待ち構えていたのでしょうか。このスライドトークの模様は、森美術館公式ブログで詳しくお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

《忘却の模型》の赤い液体をじっくり観察するメンバー
Photo: Mikuriya Shinichiro

ゲストの栗林さんと片岡が展示設営での苦労話を披露
Photo: Mikuriya Shinichiro

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スケールの大きな「宇宙観」を語ってくれた篠田さん
Photo: Mikuriya Shinichiro

ゲストの独特な語り口に引き込まれ・・・
Photo: Mikuriya Shinichiro

メンバー限定「MAMCメンバーズ・ギャザリング」レポート
〜アーティストを囲んで語り合う夕べ
篠田太郎X片岡真実のトークで二度味わう「ネイチャー・センス展」

森美術館のメンバーシップ・プログラム「MAMC(マムシー)」。その会員を対象にした「メンバーズ・ギャザリング」が2010年8月25日の夜、六本木ヒルズクラブにて行われました。開催中の「ネイチャー・センス展」出品作家の篠田太郎さんと、チーフ・キュレーター片岡真実のトークを交え、和気あいあいとした雰囲気で、夏の夜の出会いを楽しんでいただきました。


会場は六本木ヒルズクラブ。天井に星がきらめく「スターバー」で、篠田太郎さんの作品《銀河》を思い出します。
集まった多くのメンバーの皆さんは、六本木の夜にふさわしく、カジュアルシックにドレスアップしていました。パートナーやご家族、お友達を誘ってきた方や、仲良しグループで参加した方々。メンバー同士顔見知りで、久々の再会を喜んでいる姿もありました。ドリンクを片手に、とても和やかに歓談しています。

館長、南條史生の挨拶が始まりました。
「今日は皆さん、できるだけ知らない方にも話しかけて、知り合ってください。篠田さんのトークが、いろいろな話をするきっかけになるだろうと思います。とにかく楽しんでいただいて、その輪が広がっていくことを願っています」

次に理事長の森佳子による、乾杯の挨拶です。
「いろいろなアートイベントの情報交換の場としていただけると、とても良いなと思います。この会をきっかけに、少しずつアートイベントに足を運んで、そしてファンになっていただいて、活発にお顔合わせをしていただけたら嬉しいです」

会場では、挨拶の言葉に背中を押されるように、近くにいる方に話しかけ、情報交換を始める光景がそこここで見られました。
今回は、編集者/クリエイティブディレクター/京都造形芸術大学教授の後藤繁雄さん、コレクターの宮津大輔さんといったアートの世界でも著名な方々が特別参加され、その周りにも交流の輪ができていました。

イタリアンを中心とした色とりどりの料理を、ビュッフェスタイルで楽しみつつ、会話が弾みます。

いよいよ、篠田さんと、キュレーター片岡のトークが始まりました。
もともと造園を学び、庭師としての仕事も経験した篠田さんですが、彼独特の、身体(ミクロコスモス)から宇宙(マクロコスモス)へと連環する考え方と、それを反映した作品は、どのようにつくられてきたのか。初期から最新作までの画像を見せながら、ユーモアを交えつつ、軽快に、心に響く話を続ける篠田さん。ごく初期から彼の活動を見てきたキュレーター片岡とのリラックスしたトークで、「ネイチャー」のとらえかたや「ネイチャー・センス」の意味についてなど、大いに示唆に富む、興味深い対話を聞くことができました。

トークの後、メンバーの一人が篠田さんに声をかけていました。
「神戸から参加して、すごく感動しました。今まで関西では作品を拝見する機会がなかったんです。」
篠田さん、「日本で展示するのも5年ぶりなんです。東京では6年ぶりですね。ここ何年か、海外での発表だけだったので。観ていただけて嬉しいです」と笑顔でした。

再び歓談となり、篠田さんや片岡を囲んで、トークの感想や、トークを聞いて、改めて展覧会について思うことなど活発に意見が交わされ、会場にはとても生き生きと和やかな空気があふれていました。

特別参加された後藤繁雄さんからは「こういう場がもっと増えるといいですね。かつて茶会は、道具や掛け軸、花を観賞し、意見を交わし、アートや文化について情報を交換する場だったと思うんです。その茶会に代わる場として、美術館が見直されていくといいんじゃないかな」とのご意見がありました。
また「作家の展示を観て、話を聞くだけじゃなくて、ずっと見守っていくサポーターの輪ができるといいのでは。プロジェクトに投資して、作家と一緒に作っていく、一緒に夢を見る。それができたら素敵なことでしょう」という提案もありました。

締めくくりに、森美術館ジェネラルマネージャーの高橋信也から挨拶があり、名残を惜しみながらの閉会となりましたが、まだ開館時間中の美術館へと、急ぎ向かわれる方も。印象深い「ネイチャー・センスの夜」となったようです。

篠田さんとキュレーター片岡のトークの詳細は、ブログをご覧ください。

文:児島やよい(フリーランス・キュレーター、ライター)

次々と話題を引き出すチーフ・キ・・戟[ター片岡真実
Photo: Mikuriya Shinichiro

トークの後で参加者と歓談する篠田さん
Photo: Mikuriya Shinichiro

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MAMCナイト
「六本木クロッシング2010展」時

毎展恒例メンバーだけの展覧会貸し切り特別内覧会「MAMCナイト」

※このイベントは全てのMAMCメンバーが対象です。

「MAMCナイト」とは森美術館の各展覧会期間中に1回、火曜日閉館後に開催される、MAMCメンバーのためのイベント。一般向けイベントとは一味違う切り口で、展示解説、および展示に関る多様なコンテンツを提供します。

「ネイチャー・センス展」では展示解説に加えて、この展覧会が出来上がるまでの様々なシーンをご紹介する「スライドトーク」をお届けいたします。


《開催要項》

日 時: 2010年8月17日(火)19:00〜22:00(受付開始:18:45)
※最終入館21:30
場 所: 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
対 象: MAMC個人メンバー
同伴者: べネファクターメンバーは2名まで同伴可。
フェローメンバーは1名まで同伴可。
フレンドメンバーはご本人のみ入場可。
※メンバーとご同伴者は必ず一緒に受付へお越しください。
参加費: MAMC個人メンバー&同伴者 ともに無料(事前予約不要)
※終了いたしました。

《スケジュール》
★ギャラリートーク★ ※日英同時通訳

本展を企画した森美術館チーフ・キュレーター 片岡真実が、皆さんと一緒にギャラリーを巡りながら展覧会の見所を解説します。

解説: 片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
スタート時間: 19:00〜(約45分間)
※スタート5分前に、ギャラリー入口にお集まりください。

★スペシャル・スライドトーク★ ※日英同時通訳

本展では、3人の作家がそれぞれの自然観を表現した大型のインスタレーションを制作しました。その制作現場や準備中の様子をスライドでご紹介します。普段は目にすることのない、展覧会の裏側をお楽しみください。

ゲスト: 栗林 隆(アーティスト)
解説: 片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
スタート時間: 20:00〜(約45分間)
※スタート5分前に、ギャラリー1にお集まりください。

MAMCナイト
「六本木クロッシング2010展」時

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イメージ写真

アーティストを囲んで語り合う夕べ「MAMCメンバーズ・ギャザリング」

※このイベントは、ベネファクター&フェローメンバーが対象です。

毎年、初夏に開催していた「MAMCランチ」に代わって、今回は「ネイチャー・センス展」出展作家のひとり、篠田太郎さんをお迎えし、 その独特な生命観、宇宙観などを語り合うディナー&カクテルイベント「MAMCメンバーズ・ギャザリング」を開催いたします。森美術館館長 南條史生と、この展覧会を企画したチーフ・キュレーター片岡真実がホストとして皆さまをお迎えします。
小さなパーティーならではの、アットホームな雰囲気の中、お食事とお酒を楽しみながら、大いに語り合いましょう!メンバーも、作家も、キュレーターも、み んなが主役の夕べに是非あなたもご参加ください。


《開催要項》

日 時: 2010年8月25日(水)19:00〜21:00(受付開始:18:45)
場 所: 六本木ヒルズクラブ スタディー(森タワー51F)
対 象: ベネファクター&フェローメンバー
同伴者: メンバー1人につき2名まで同伴可。(20歳未満の方はご遠慮ください。)
パーティー形式: カジュアルなカクテルパーティー
※六本木ヒルズクラブのドレスコードが適用されます。下記ご参照ください。
参加費: お1人様 \6,000- 税込(メンバー&同伴者 共に)
※当日受付にてお支払いください。(現金またはクレジットカード)
定 員: 20名(要事前申込)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
※終了いたしました。

※英語でのコミュニケーションをご希望の方は、美術館スタッフがお手伝いさせていただきますので、ご遠慮 なくお申し出ください。


《プロフィール》

篠田太郎

1964 年生まれ。造園を学んだ篠田は、「庭」や「人間と自然の新しい関係」をテーマに、人間の身体から宇宙まで多様な関心を持ち、人間の五感を刺激する彫刻やイ ンスタレーションに取り組んで来た。最近では特に現代の都市風景や利便性、テクノロジーの発展した日常環境と人間との関係を再考することで、生活、社会、 文化を含めて抽象化された自然の概念についての洞察を深めている。本展では、新作の映像トリロジーを含む3点を出品。REDCAT(ロサンジェルス)、広 島市現代美術館などでの個展、釜山ビエンナーレ(2006)、イスタンブール・ビエンナーレ(2007)など国際展への参加も多数。


【六本木ヒルズクラブ ドレスコード】
スマートカジュアルの服装をお願いします。
ご利用される方全てに適応されますので、ご同伴されるお客様に予めご案内いただきたくお願いいたします。
・男性は、Tシャツなど襟のないシャツをお召しの場合は、ジャケットの着用をお願いいたします。
・女性の方は、男性に準ずる服装をお願いします。キャミソール等をお召しの場合は、上着の着用をお願いします。
また、以下の服装はお断りします。
・運動着(パーカー・ジャージ等を含む)、浴衣、丈の短いズボン(半ズボン、バミューダなど)、穴の開いたジーンズ、ビーチサンダル(クロックス含む)、 下駄、雪駄、リュックサック、帽子

【MAMCメンバーイベントのリポート掲載 について】
MAMCでは、より多くの皆様にメンバーイベントの様子を知っていただくために、後日ウェブサイトにリポート掲載をしております。会場内で撮影した風景画 像も掲載させていただきますが、中には参加者の様子が写っているものが含まれる可能性がございます。イベントご参加の際には、この点について予めご了承い ただきますようお願い申し上げます。なお、掲載された画像についてご本人より削除の希望があった場合には、すみやかに対応させていただきます。


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