4作品の一部になって、空間的な体験をする

スケールの大きな作品が多いN・S・ハルシャの絵画ですが、描かれるのはキャンバスに留まらず、床や壁、公園の地面や寺院の屋上まで様々です。大型絵画からインスタレーションまで、観客は作品の一部になって、空間的な体験をすることができます。
本展で展示されるインスタレーション《空を見つめる人びと》(2010年)もその一つ。床に描かれた人々の眼差しはどれも天を向き、その目線を追って見上げれば、群衆に紛れ星空の一部となった自分を発見することでしょう。「彼らが見つめる先にあるものとは何か?」「自分はどこにいて、世界はどこに向かっているのか?」などと、思索に耽けるのもよいかもしれません。

《空を見つめる人びと》
2010年
アクリル、合板
展示風景:リバプール・ビエンナーレ、2010年

《空を見つめる人びと》(部分)
2010年
アクリル、合板
展示風景:リバプール・ビエンナーレ、2010年