ペルーの首都リマ出身のガブリエル・アセベド・ベラルデ(1976年生まれ)は、リマとメキシコシティで美術を学び、現在ベルリンを拠点に活躍するアーティストです。ビデオをはじめ、ドローイングや立体作品、インスタレーションなど多様な手法を用いたユニークな作品で注目を集め、南米やアメリカ、ヨーロッパを中心に世界各国で作品を発表しています。本展は、日本で初めてアセベドの作品を紹介する展覧会であり、2011年のリヨン・ビエンナーレで高く評価されたアニメーション作品《舞台》(2004年)に加え、新作の映像作品《法令882条》を発表します。
アセベドは、組織と個人のはざまに位置するものに関心を寄せてきました。例えば彼が作る立体作品は、あたかも機能性を持つかのように見え、まるで役所やオフィスなどの公共空間にある装置や道具を思わせます。本展出品作のひとつである《舞台》では、一見コミカルで明るい表現の中に、権力や暴力、服従、同化など、集団と個人の間に起こるさまざまな作用を想起させるイメージが、不気味に描き出されています。本展のための新作《法令882条》は、リマの自然史博物館を舞台に撮影されたものです。映像画面には博物館を訪れる子どもたちと謎の光のイメージが交錯し、不穏なムードが漂います。博物館という公的空間を背景に、アセベドは独特なタッチで、制度と個人との危うい関係性を浮き彫りにするのです。
主催: | 森美術館 |
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企画: | 荒木夏実(森美術館キュレーター) |
会場: | 森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 |
開館時間: | 10:00-22:00 (火曜日のみ17:00まで) |
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※2月11日(火・祝)、4月29日(火・祝)、5月6日(火・休)は22:00まで ※4月19日(土)は「六本木アートナイト2014」開催に伴い翌朝6:00まで ※入館は閉館時間の30分前まで ※会期中無休 |
入館料: | 一般:1,500円 学生(高校生・大学生):1,000円 子供(4歳−中学生):500円 ※森美術館「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」と共通。展望台 東京シティビュー、スカイデッキへは別途追加料金がかかります。 |
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お問い合わせ: TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
展覧会パンフレット
「MAMプロジェクト020:ガブリエル・アセベド・ベラルデ」のパンフレット(PDF版)はこちらからご覧いただけます。
*:参考図版