森美術館は、2005 年夏より企画展のための新作を中心に作品を収集してきました。日本を含むアジアの現代美術に焦点をあてたコレクションは、現在、400 点近くを数えます。作品を収集し、公開することは美術館の基本的な活動のひとつですが、リニューアルを機に常設の展示室を新設し、コレクションを順次、多様なテーマに沿って紹介する「MAMコレクション」シリーズをスタートしました。ダイナミックな眺望のあるリビングルームのような空間で現代アートを楽しむ、美術館のモットー「アート&ライフ」を体現したプログラムです。
ス・ドホ(1962年生まれ)は、1990年代以降、国際的に活躍する韓国の代表的アーティストのひとりです。
紗幕で既存の空間を再現する代表的なインスタレーションのシリーズと併行して、個と全体という関係性のなかでアイデンティティを問う多様な作品も制作していますが、《因果関係》もその一例です。おびただしい数の小さな身体が連なって構成される全体像は、周囲との関係性において成立するわれわれの存在や空間を示唆します。
ポー・ポー(1957年生まれ)は、ミャンマーで1980年代以降のコンセプチュアル・アートを牽引してきたアーティストです。とりわけ1960年代から続いた軍事政権下、外の世界との交流が限られるなか、独学で哲学や現代アートを会得し、その実践を平面作品から立体インスタレーションへと発展させてきました。1985年作の5点の絵画は、ポー・ポーが20歳の頃に興味を持った仏教哲学アビダルマに基づき、宇宙の四大要素、「地(Pathavi)」、「水(Apo)」、「火(Tejo)」、「風(Vayo)」に、それぞれ、四角形、半円形、三角形、円形という幾何学的形体を対応させ、さらにそれらがすべて融合した「空間(Akasa)」を加えたものです。
会期: | 2015年7月25日(土)-10月12日(月・祝) |
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主催: | 森美術館 |
企画: | 片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター) |
会場: | 森美術館 |
開館時間: | 10:00–22:00(火曜日のみ、17:00まで) *9/22(火・祝)は22:00まで |
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*入館は閉館時間の30分前まで *会期中無休 |
入館料: | 一般1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳-中学生)600円、シニア(65歳以上)1,500円 *表示料金は消費税込 *「ディン・Q・レ展」、「MAMスクリーン」、「MAMリサーチ」と共通 *本展のチケットで展望台 東京シティビューにも入館可 *スカイデッキへは別途料金がかかります |
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お問い合わせ: Tel: 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
ス・ドホ アーティストインタビュー
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ス・ドホ《因果関係》
2007年
インスタレーション
アクリル樹脂、アルミニウム板、ステンレススチール・フレーム、ステンレススチール・ケーブル、モノフィラメント 120×295cm
所蔵:森美術館
展示風景:「MAMコレクション002:存在と空間──ス・ドホ+ポー・ポー」森美術館、2015年
撮影:古川裕也
ポー・ポー《空(空間の要素)》
ポー・ポー《火(運動エネルギーの要素)》
ス・ドホ《因果関係》
価格:各162円(税込)
技巧をこらした美しい作品の数々で国際的に知られた韓国人アーティスト、ス・ドホが、本展に合わせて来日!
韓国国立現代美術館の開館記念展ほか、出品作を含めた最新の活動について話します。
出演:ス・ドホ(アーティスト)
日時:2015年7月25日(土)19:00-20:30(開場18:30)
会場:森美術館 オーディトリアム
定員:80名(要予約)
料金:無料(要展覧会チケット)
お申し込み:終了しました
「MAMコレクション002:存在と空間――ス・ドホ+ポー・ポー」では、下記の条件の範囲内で作品の写真撮影が可能です。
<写真撮影に際して>
作品に触れないでください。 | |
他の鑑賞者の鑑賞を妨げるような撮影はご遠慮ください。 | |
フラッシュの使用はご遠慮ください。 | |
三脚の使用はご遠慮ください。 | |
動画の撮影はご遠慮ください。 |
<撮影された写真の利用に関して>
表記例:
作家名/作品名:ス・ドホ 《因果関係》
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